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» 2016年07月07日 10時00分 UPDATE

2020年には100億円市場形成へ:需要急増が見込まれる「USB Type-Cハブ」を1チップで実現しませんか?

ノートPCへの「USB Type-C」の採用が進む中で、需要が急増しているのが「USB Type-Cハブ」だ。薄くて軽いノートPCを実現するため、あらゆるインタフェースを1〜2個のUSB Type-Cポートに集約する流れが顕著で、ポート数の少なさを補うUSB Type-Cハブが必需品になりつつあるためだ。ただ、USB Type-Cハブの設計開発は、USB規格の複雑化などにより、これまでのUSBハブよりも格段に難易度がアップしている。だが、このほど、そうしたUSB Type-Cハブの設計開発の難易度を大きく下げるデバイスが登場したので、紹介していこう。

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 2015年春に発売されたAppleの薄型ノートPC「MacBook」。厚み3.5〜13.1mmで重量920gという薄型/軽量、洗練されたシンプルなデザインで、話題を集めた。昨今、このMacBookのように、これまで以上に薄型/軽量でシンプルなデザインのノートPCが主流になりつつある。

 最大でも13.1mmという薄さを実現できた背景には、PCのインタフェースの代表格である「USB」の進化がある。これまで、ノートPCに搭載されてきた「USB Type-Aコネクター」のサイズは、幅120×高さ5mm。ディスプレイやボディーの厚みを考慮すれば、USB Type-Aを搭載して、厚みを13.1mmに抑えることは、まず不可能だ。薄型化を実現する上でネックになるのは、USBコネクターだけではない。電源コネクターや、DisplayPortなど映像出力用コネクターも厚みはネックであり、仮に13.1mmのサイズに収まったとしてもデザイン上の制約を生む要因となる。かといって、これらコネクターを外してしまえば、PCとしての機能が劣ることになる。

 こうしたノートPCに厚み、デザインの制約を生む“コネクター問題”を一気に解消したのが、USB Type-Cだ。

あらゆるインタフェースを集約できる「USB Type-C」

 AppleのMacBookをみると、搭載されている外部インタフェース用コネクターは、3.5mm径のオーディオミニジャックと、高さ2.6mmのUSB Type-Cポート1つだけだ。USB Type-Aはもちろんのこと、電源や外部映像出力用のコネクターは見当たらない。すべてUSB Type-Cポート1つに集約されているのだ。

 USB Type-Cは、USBとしては初めてとなる、表裏のないリバーシブルタイプの新たなコネクター規格だが、特徴的なのは、その形状だけではない。新しいUSBの電力供給仕様である「USB Power Delivery」(以下、USB PD)にも対応し、最大100W(20V/5A)という大電力を供給できるようになった。しかも、USB PDでは、これまでのような「ホスト→デバイス」といった片方向の電力供給ではなく、データ同様、電力も双方向で融通できるようになった。さらに、USB Type-Cでは、USBの信号だけでなく、DisplayPortをはじめとした映像出力インタフェースの信号を転送することも可能になった。だからこそ、あらゆるインタフェースを、USB Type-Cに集約することができたのだ。

インタフェースは「USB Type-C」の1ポートだけ!

 今後、MacBookのようにノートPCは、あらゆるインタフェースをUSB Type-C 1ポートに集約し、薄型/軽量を実現していく見込みだ。万能なUSB Type-Cだが、1ポートだけでは、デスクワークなどノートPCを据え置いて、さまざまな作業を行う場合には、ポート数が不足することになる。例えば、電源供給を受けながら、USBメモリのデータを読み出し、外部モニターに映像を出力するといった場合、ポート数が足りなくなる。そこで登場するのが、「USB Type-Cハブ」だ。

USB Type-Cハブは必需品に

 USB Type-Cハブは、1つのUSB Type-Cポートを複数のUSB Type-CポートやUSB Type-Aポート、DisplayPortなど外部映像出力ポートに拡張するための役割を果たすものだ。下の写真を見てもらいたい。

「USB Type-Cハブ」のイメージ。中央の緑色の基板がUSB Type-Cハブの役割を果たし、さまざまなデータ/電力を1つに集約し、ホストのノートPCに転送。ノートPCからのデータについても、各インタフェースポートに振り分けて転送する (クリックで拡大)

 写真右にあるノートPCが、USB Type-Cポート1つだけを搭載する市販されているMacBookだ。MacBookのUSB Type-CポートとUSB Type-Cケーブルで接続されている写真中央の緑色のボードが、USB Type-Cハブを模したボードだ。このUSB Type-Cハブボードは、MacBookと接続しているUSB Type-Cポート以外に、もう1つのUSB Type-CポートとUSB Type-Aポート、電源ポート、DisplayPort、イーサネットポートを備える。写真では、USB Type-CポートとUSB Type-AポートにUSBメモリが接続され、USBメモリ内の動画データをMacBookが読み出し、一方の映像をMacBookで、もう一方の映像を、DisplayPortに接続された外部モニターに映し出している。通信については、イーサネットポートに接続されたセルラーモデムを介して行い、USB Type-Cハブに接続されたACアダプターからの電力で、MacBookは充電中でもある。ひと言で言えば、写真左側のさまざまなペリフェラルは、USB Type-Cハブで1つに集約され、USB Type-Cケーブル1本で、MacBookとつながっているというわけだ。

想定される「USB Type-Cハブ」のカタチ (クリックで拡大)

 このように、万能なUSB Type-Cポートを物理的に拡張するUSB Type-Cハブは、ノートPCなどのポート集約化の流れに比例して、単独で機能を果たす端末(ドングル)としてだけでなく、モニターやドッキングステーションに組み込まれる形で、需要が急増することが予想されている。調査会社であるGartnerとCypressの予測によると、USB Type-Cハブの市場規模は、2016年で約1000万ドルに達し、さらに4年後の2020年には10倍となる1億米ドルにも及ぶという。年間平均成長率で78%という大きな成長が見込まれているのだ。

課題抱えるUSB Type-Cハブの設計開発

 こうした大きな需要を見越し、USB Type-Cハブの製品化、組み込み化に向けた開発が活発化しつつある状況だが、USB Type-Cハブは、従来のUSBハブと異なり、課題が多い。

従来の「USB Type-Cハブ」の構成例 (クリックで拡大)

 例えば、設計の複雑化が挙げられる。これまでのUSBハブであれば、USBコントローラーなどの機能が集約されたUSBハブコントローラーICを1つ使えば、ほとんど設計を終えたようなものだった。しかし、USB Type-Cハブでは、現状、USB Type-CコントローラーICとハブコントローラーICの集約はされておらず、別IC構成である。加えて、USB Type-CにDisplayPort機能を付加する「DisplayPort Alt Mode」に対応させるには、USB ビルボード(Billboard)コントローラーICも必要になる。使用するICが増える上に、USB 3.1でさらに高速化した10Gビット/秒(bps)の高速データ伝送を可能にする信号品質を担保しなければならないのだ。

 開発の高度化は、ハードウェア面だけでなく、ソフトウェア面でもみられる。これまでは、ホストとデバイスという主従関係がハッキリしていたUSBだが、USB Type-C/USB PD世代では、その概念がなくなり、より双方向性が高められた。USB PD仕様は、電力を双方向で融通する上、より大きな電力を扱うための安全性を担保するべく、さまざまな規定を満たさなければならない。これまで以上に、相互接続性試験(コンプライアンステスト)をクリアすることが難しくなっている。

課題を一挙に解消するICが登場

 そうした中で、USB 1.1世代から各種USB関連ICを提供してきたCypressは、1チップでUSB PD対応USB Type-Cハブの主要機能を実現するIC「EZ-USB HX3C」を開発し、2016年6月から量産を開始した。

「EZ-USB HX3C」の概要 (クリックで拡大)

 EZ-USB HX3Cは、USB 3.1ハブコントローラーと、USB PD対応のUSB Type-Cコントローラー2個、さらにUSBビルボードコントローラーの機能を、10mm角の121ボールBGAパッケージのICに集約した。これまで、4つのICが必要だったところを1つのICで実現できるため、USB Type-Cハブの設計負荷を大幅に軽減する他、コスト、ボードサイズを大きく削減できるのだ。

従来構成のハブボード(左)と、主要な4つのICを1つのICに集約できる「EZ-USB HX3C」を使ったハブボード(右)の比較。サイズは、約30%縮小し、部品コストも20%程度、低減できるようになる (クリックで拡大)

 Cypressがこうした高集積型のUSB Type-CハブコントローラーICを投入できたのには、理由がある。Cypressはこれまで、USB Type-C関連デバイス業界をリードする形で、製品化してきた。2014年発売のUSB Type-Cコントローラー「CCG2」など、EZ-USB HX3Cを構成する3種のデバイスをそれぞれ単独ICとして出荷し、市場で実績を積んできたのである。「EZ-USB HX3Cは、市場で実績ある回路を統合しているため、早期に製品化できた上、完成度も高い」とし、USB Type-Cハブ開発における課題の1つである「相互接続性の確保」が過去の実績からも保証されているのだ。

さまざまなレファレンス

 なお、Cypressでは、設計負荷を軽減し、より容易にUSB認証取得できるよう各種サポートメニューを用意。その1つとして、レファレンスボードや回路図、ファームウェアの提供を実施している。PCなどホスト端末に接続用のUpstream Facing Port(UFP)として、USB Type-Cポート1つと、デバイス端末接続用のDownstream Facing PortとしてUSB Type-Cポート×1、USB Type-Aポート×2に、DisplayPortコネクターを備える基本構成の他、ブリッジICを使ってUSB Type-Aポートの1つをギガビットイーサネットに変換した構成など、さまざまなパターンのレファレンスを用意している。

Cypressが提供するレファレンスボードの一例 (クリックで拡大)

 開発サポート面では、USB Type-Cハブ開発における信号品質の課題を解消するツールも2016年第2四半期より提供を開始する。GUI(グラフィカルユーザーインタフェース)ベースのツールで、アイパターンを見ながら、PHYのパラメーターをチューニングし、エンファシスレベルの設定を最適化でき、手軽にコンプライアンステストに適合する十分な信号品質を確保できるようになっている。

GUIツール上で、アイパターンを確認しながらPHYのパラメーター調整が手軽に行える (クリックで拡大)

ファーム書き換えも可能、「Type-C普及を後押しする」

山田祥之氏

 さらに、EZ-USB HX3Cは、フィールド上でもシステムのアップグレードが行えるという特長を持つ。EZ-USB HX3Cは、Cypress独自のプログラマブルSoC(PSoC)ベースのデバイスであり、EZ-USB HX3Cのビルボードコントローラー部に、他のコントローラー部を含めて、ファームウェアを更新できる機能を内蔵し、「製品出荷後でも、今後、登場するだろう最新のUSB仕様のファームウェアに更新することができる」(日本サイプレス データコミュニケーション部門マーケティングディレクター山田祥之氏)とする。

 山田氏は、「USB Type-C、USB PDの普及に向けて欠かせないIC製品は、EZ-USB HX3Cの登場により、ほぼ出そろった。Cypressとしては、今後、『もっとポート数の多いハブを実現したい』などの要望に積極的に応えながら、USB Type-C、USB PDの普及を後押ししていきたい」と語っている。


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提供:日本サイプレス株式会社
アイティメディア営業企画/制作:EE Times Japan 編集部/掲載内容有効期限:2016年8月6日

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