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半導体業界に衝撃を与えた2つの買収EE Times Japan Weekly Top10

EE Times Japanで2016年7月23〜29日に、多くのアクセスを集めた記事をランキング形式で紹介します。さまざまなトピックのニュース記事、解説記事が登場!!

» 2016年08月04日 16時30分 公開
[村尾麻悠子EE Times Japan]

「EE Times Japan Weekly Top10」バックナンバー

まさかADIとLinearが……

 今回は、ソフトバンクによるARM買収と、Analog Devices(ADI)によるLinear Technology買収という、2つの買収に関わる記事が多くランクインしました。どちらも、半導体業界に関わる人間にとっては、非常に大きなニュースです。2件ともリークが少しもなく、発表された時には本当に驚きました。

 ADIについては、Maxim Integratedを買収するのではないかという報道はありました(「ADIとMaximが合併交渉か ――米メディアが報道」)。これについてはTIもMaximに買収を持ちかけているという話もあり、アナログ半導体市場でM&Aがあるとすれば、ADI+MaximあるいはTI+Maximになるかと思っていたのです。

 1位の記事にある通り、Linear Technologyは、利益率が極めて高い“超優良企業”です。離職率も低く「人が辞めない会社」だといわれていて、アナログメーカーとしてのブランド力も高く、学生の就職先としても人気だそうです。新人の時からじっくりとプロジェクトを任せてくれるという話も聞きました。シリコンバレーの本社を取材した際は、社員の方から「とにかくここで働けることが誇りだ」という気持ちがびしびしと伝わってきたものです。

 ADIによる買収が完了するのは、2017年上半期の予定です。買収完了後に、Linearの技術力やブランド力、そして何より、自社が好きでたまらなかったLinearの従業員のモチベーションをどう維持するのか――。それがADIにとって最も大きな課題になるのではないかと感じています。「TI、合併という“起爆剤”がなくても安定」「携帯電話用半導体を巡って繰り広げられた「ババ抜き」」「2015年半導体業界再編を振り返る[上半期編]」も、ぜひお読みください。

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