特集:IoTがもたらす製造業の革新〜進化する製品、サービス、工場のかたち〜
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» 2016年08月09日 11時30分 UPDATE

日立製作所が発表して話題に:働く人はAIで幸せになれる? 体験者に聞いてきた (2/4)

[庄司智昭,EE Times Japan]

「コミュニケーションが明らかに増えた」

EETJ 実証実験を開始してから、業務や職場の雰囲気に変化はありましたか?

加藤氏 プライバシーの侵害を心配する人はいた。冗談だが、不倫をしているとか、生体反応が取得されて特定の女性としゃべっているときにドキドキしているとか(笑)。今回の技術は、体の動きと対面情報だけを取得しているので、その心配はない。

 また、スマートフォンの専用アプリを通して、誰と話しているかが分単位で把握できるため、普段話していない人と意識してコミュニケーションするようになった。

西山氏 私もコミュニケーションが明らかに増えたと感じている。AIから「○○さんとしゃべった方がいい」というアドバイスが届くため、その人となるべくしゃべるようにしている。突然、私のところにやって来て、話しかけていく人も多くいた。

AIから届くアドバイスのイメージ (クリックで拡大) 出典:日立製作所

EETJ アドバイスで出てくる人は、どのような人が多いのですか?

西山氏 1度もしゃべったことがない人は、アドバイスに出てこない。過去の行動で、○○さんとしゃべったときに組織の活性度が上がっているなどをAIが分析し、それぞれにアドバイスを行っているようだ。そのため、100人に100通りのアドバイスがある。

仕事の悩みを打ち明ける機会にも

EETJ 印象的なエピソードはありますか?

西山氏 聞いた話だが、「○○さんとしゃべった方がいい」というアドバイスを実行したところ、仕事上の悩みを解決できた人がいた。その2人は、前は同じ部署にいたが、現在は別の部署で働いているため、しばらく会話がなかった。AIからのアドバイスをきっかけに久しぶりに話すと、仕事の悩みを打ち明けられ、解決までつながったようだ。

 AIがアドバイスしてくる人は、理由まで分からないが普段の会話が少ない人がほとんどだ。しかし、普段話さない人との会話が増えれば、新たな気付きや有益な情報が得られる。そのため、今回のようなケースは多かったのではないだろうか。

加藤氏 劇的なエピソードはないが、先ほども述べたように席が離れている人ともコミュニケーションする機会が明らかに増えて、仕事の幅は広がった気がする。

ウェアラブルセンサーを身につけて、会議をしているイメージ (クリックで拡大)

西山氏 「○○さんとしゃべった方がいい」というアドバイスは、ほとんどが他の部署の人だった。しかし、私の場合、同じ部署の中で1人(以下、Aさん)だけ名前が出てきた。「これはまずい」と思い、Aさんと会議室で個別に話す機会を設けた。

 Aさんと実際に話してみたら、社内の人間関係で悩みを抱えていた。大したアドバイスができたわけではないが、話したことでスッキリしてくれたようだった。この気付きは、実証実験がなければなかったし、直接話す機会を今後も設けたいと思っている。

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