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展示会の枠を超えるCEATEC、主催者が語る思い開催まであと1週間(1/2 ページ)

2016年から、「CPS(サイバーフィジカルシステム/IoT(モノのインターネット)の展示会」として開催される「CEATEC」。なぜ、CEATECは生まれ変わる必要があったのか、運営事務局でプロジェクトマネジャーを務める鳥飼浩平氏と、広報・PR担当の吉田俊氏に話を聞いた。

» 2016年09月27日 13時30分 公開
[庄司智昭EE Times Japan]

2016年から「CPS/IoT」の展示会へ

 「CEATEC JAPANは生まれ変わらなければいけない――」

 主催団体の1つである情報通信ネットワーク産業協会(CIAJ)で専務理事を務める片山泰祥氏は、「CEATEC JAPAN 2016」(シーテックジャパン 2016)開催概要説明会で、こうを語った。2015年開催まで「最先端IT・エレクトロニクス総合展」と位置付けて実施されてきたCEATEC。2016年からは「CPS(サイバーフィジカルシステム/IoT(モノのインターネット)の展示会」として開催されることが決定している。

 開催概要説明会では、出席した記者一人一人にタブレット端末が配布され、プレゼンテーション資料はタブレット端末で閲覧する新しい形式がとられた。また、同時にタブレット端末を用いたアンケートを、会見内容に反映する試みが行われるなど、主催者側の新しいチャレンジをしようという強い意気込みが感じられる内容だった。

 なぜ、CEATECは生まれ変わる必要があったのか、CEATEC JAPAN運営事務局でプロジェクトマネジャーを務める鳥飼浩平氏と、広報・PR担当の吉田俊氏に話を聞いた。

もともとのコンセプトは、“先進技術の総合複合展” 出展:CEATEC JAPAN実施協議会

5〜10年先を見据えた展示会として

EE Times Japan(以下、EETJ) “家電の見本市”という印象が強いCEATEC。なぜ、2016年からCPS/IoTの展示会として、生まれ変わる必要があったのでしょうか?

鳥飼氏 CEATECの「CE」は「Customer Electronics」と勘違いされている方もいたが、正しくは「Combined Exhibition of Advanced Technologies」。つまり、日本語で言うと、“先進技術の総合複合展”がもともとのコンセプトにある。

 しかし、私たちとしても反省しているところだが、CEATECは家電の見本市としての華やかなイメージから離れきれなかった。そのマインドを変えて、時代をリードしていく新しい文化、ビジネスを伝える展示会として、原点回帰する必要があった。

鳥飼浩平氏

EETJ 2015年にも、主催者企画「Nextストリート」として、CPS/IoTの展示をされていました。看板まで変える必要性はあったのでしょうか。

鳥飼氏 IT・エレクトロニクスを軸として、世の中のあらゆる産業がつながる時代がやってくる。そのため、CEATECとしても、単にモノ(製品)だけを展示するのではなく、新しい文化、サービスを展示しなければならない。その試みが、2015年のNextストリートだった。

吉田氏 Nextストリートでは、近畿日本ツーリストと楽天が出展するなど、CPS/IoTを初めて掲げて「良い取り組み」という声を多くもらった。CEATECは、部品から完成品、自動車まで幅を広げて展示を行っており、出展企業にとってみるとそれらは全てつながっている顧客同士である。つまり、出展企業にとってもメリットがあるし、来場者にとっても、業界の全体像が見えることで好評をいただけた。

 しかし、CPS/IoTの展示は、まだ一部のゾーンでしかなかった。前回好評をいただいたとともに、2020年に向けた先端技術の核となることから、看板を変える決断をした。

EETJ IoTをテーマに掲げる展示会は、他にもいくつかありますよね。

鳥飼氏 CPS/IoTを部品、完成品、サービスまで全体を通して展示できるのは、CEATECのみである。つまり、単に出展社と来場者の関係ではなく、出展社同士のコミュニケーションをより広げられることが、専門展との差別化と思っている。

「CEATEC JAPAN 2015」の様子

EETJ CPSという言葉は、あまり聞き慣れません。

吉田氏 IoTは流行の言葉になっているが、人によって定義が曖昧なところがある。「インターネットにつながればIoT」と考える人もいると思うが、私たちが目指すIoTは、ビッグデータ、人工知能などを活用して現実社会に価値を生み出すことである。

 確かにCPSという言葉は使われなくなっている現状はあるが、IoTという言葉だけではどうしても“モノ(製品)指向”になってしまう。CPSをあえて入れることで、私たちが伝えたいIoTのメッセージを伝えることができると思っている。

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