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» 2016年11月16日 15時48分 UPDATE

前回2位から上昇:スパコン「京」がHPCGで世界第1位を獲得

理化学研究所と富士通は2016年11月16日、スーパーコンピュータ「京」が共役勾配法の処理速度の国際的ランキング「HPCG」(High Performance Conjugate Gradient)の最新版で世界第1位になったと発表した。

[竹本達哉,EE Times Japan]

602TFLOPS

 理化学研究所(理研)と富士通は2016年11月16日、スーパーコンピュータ「京」が共役勾配法の処理速度の国際的ランキング「HPCG」(High Performance Conjugate Gradient)の最新版で世界第1位になったと発表した。HPCGは、ハイパフォーマンス・コンピューティングに関する国際学会「SC16」で発表された。

HPCG[2016年11月版]上位10社
順位 システム名 設置場所 ベンダー名 国名 TFLOPS TOP500順位 Graph500順位
1 理研 計算科学研究機構 富士通 602.7 7 1
2 天河2号 広州国立スーパーコンピューティングセンター NUDT 580.0 2 8
3 Oakforest-PACS 最先端共同HPC基盤施設 富士通 385.5 6 -
4 神威太湖之光 無錫国立スーパーコンピューティングセンター NRCPC 371.2 1 2
5 Cori 国立エネルギー研究科学計算センター Cray 355.4 5 -
6 Sequoia ローレンス・リバモア研 IBM 330.4 4 3
7 Titan オークリッジ研 Cray 322.3 3 -
8 Trinity ロスアラモス研 Cray 182.6 10 -
9 Pleiades アメリカ航空宇宙局(NASA) HPE/SGI 175.2 13 41
10 Mira アルゴンヌ研 IBM 167.0 9 4
出典:理化学研究所

 HPCGは、産業利用など実際のアプリケーションで用いられる共役勾配法の処理速度による性能指標。連立一次方程式の処理速度を競うLINPACKや、グラフ解析の性能を競うGraph500とは異なる視点で性能を評価する目的で2014年からランキングが発表されている。共役勾配法とは、物理現象をコンピュータでシミュレーションする場合に解く必要の多い連立一次方程式を解く方法の1つ。反復計算を行うことで正しい解に収束させていく反復法の一種で、コンピュータシミュレーションの世界ではよく使われているという。

 今回の測定では、京が持つ全計算ノード8万2944台を使用して実施。2014年の最初のランキング発表時と比べて、さらに進んだチューニングを実施。前回のランキング(2016年6月発表)では第2位だったが、今回は、逐次実行していた演算を同時実行させることで単位時間当たりの演算回数を増やすチューニングを行ったことで、602TFLOPSという高いベンチマークスコアを達成し第1位となった。

 理研と富士通では「このスコアはLINPACKで京より上位のスーパーコンピュータよりも高いことから、CPUの演算性能のみならずメモリやネットワークも含めたシステム全体としての性能バランスを重視して設計開発された京が、産業利用など実際のアプリケーションを非常に効率よく処理し、高い性能を発揮することを証明している」とコメントしている。

 なお、京は、SC16で発表されたTOP500で第7位、Graph500で第1位を獲得している。

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