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» 2016年12月07日 11時30分 UPDATE

自動車市場に野心燃やすIntel:MobileyeとIntelは車載分野の“Wintel”になれるか (1/2)

車載市場への野心を燃やすIntelは、Mobileyeとの関係を順調に深めているようだ。カメラセンサーを用いたADAS(先進運転支援システム)分野では抜群に高い知名度を持つMobileyeと、その同社と組むIntelはこれから先どこに向かうのか。

[Junko Yoshida,EE Times]

IntelとMobileyeの連携がより強固に?

 高性能自動運転車のプラットフォーム分野におけるIntelとMobileyeの関係が強まっているようだ。そして、このことが競合他社や同市場への参入を狙う企業を脅かしている。

 両社の関係が強化されていると考えるには2つの理由がある。その1つは、BMWとMobileye、Intel間の戦略的パートナーシップである。もう1つは、Delphi Automotiveが2016年11月末に、同社の自動運転車向けプラットフォームにIntelのチップとMobileyeのビジョンSoC(System on Chip)を採用したと発表したことだ。

 いずれにしろ、Mobileyeは既に、ビジョンプロセッシング市場の主力プレーヤーであり、ビジョンプロセッシングはADAS(先進運転支援システム)や自動運転車の鍵となる技術である。

出典:Mobileye

 Intelは、複数の「Xeon」コアを搭載するとされる車載向け新SoCをまだ発表していない。だが、経験則から判断して、世界最大のプロセッサメーカーであるIntelのSoCが優れた性能を持っていることは間違いないだろう。IntelのCEO(最高経営責任者)を務めるBrian Krzanich氏は、2016年11月18〜27日に米国カリフォルニア州ロサンゼルスで開催された「Los Angeles Auto Show」の基調講演で、自動運転車の実用化に向けて2億5000万米ドルを投じると発表している。

 EE Timesが2016年12日2日に掲載した記事「車載市場での存在感強化を狙うIntelの戦略」に対する読者の反応の中には、「IntelがPC以外の市場でも成功するという前提に立って、同社に対して好意的な記事を書いている」という批判もあった。

 ST Microelectronicsの元CEOで現在はCogito InstrumentsのCEOを務めるPhilippe Lambinet氏の同記事に対するコメントは、なかなか鋭いものだった。Cogito Instrumentsは、産業アプリケーション向け機械学習分析技術の開発を手掛ける企業である。

 Lambinet氏は、「Mobileyeの真の価値は、同社のデータセットとアルゴリズムにある」と指摘する。「同社は、適切なものがなかったからハードウェアを開発したのであって、同社の本質的な価値はハードウェアにあるわけではない。一方、Intelは代表的なプロセッサ企業だ」と同氏は述べている。

 同氏は、MobileyeとIntelの協業を“非常に機能的な組み合わせ”と評し、PC市場におけるIntelとMicrosoft、つまり“Wintel”のような地位を車載分野で築けるのではないかと考えている。

 一方で同氏は、「確かに興味深いシナリオだと思うが、Mobileyeは、Wintelのような形でIntelと協業することを望んではいないだろう」とも述べている。

 MobileyeとIntelの協業について、もう少し考察を続けよう。

 次に、MobileyeとIntelがそれぞれ、自動運転車に何をもたらすのかを見てみよう。Mobileyeの「EyeQ」チップとIntelがこれから発表する車載SoCは、どのように処理を分担するのだろうか。

 筆者は、MobileyeのCCO(最高コミュニケーション責任者)兼シニアバイスプレジデントを務めるDaniel Galves氏に、Delphiのプラットフォームについて上記の質問を投げかけた。

 Galves氏は「処理の分担はとても分かりやすい。MobileyeのSoCは、全てのセンサープロセッシングソフトウェアを動作する。マッピングのローカライズはMobileyeのREM(Road Experience Management)で処理されて、センサーフュージョン機能が働く。一方、IntelのSoCでは、自動運転の制御を担っている」と説明した。

 では、2018年に出荷開始が予定されている「EyeQ5」も、IntelのSoCのようなコンパニオンチップが必要になるのだろうか。

 Galves氏は、「自動運転制御用のソフトウェア、これは当社があまり手掛けていない分野だが、高いコンピューティング能力が必要とされる。つまり、(センサーの処理と自動運転の制御を)別個にすることは理にかなっているのだ。さらに、2つのチップがあるということは、機能安全や冗長性の点でも有利になる」と続けた。

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