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» 2016年12月13日 11時30分 UPDATE

福田昭のストレージ通信(51) 抵抗変化メモリの開発動向(10):SanDiskが語る、抵抗変化メモリの抵抗値変化 (1/2)

今回は、抵抗変化メモリ(ReRAM)の抵抗値が書き込み後に変化する現象(リラクゼーション)について報告する。十分な書き込み電流を確保すれば抵抗値は安定するが、当然、消費電力は増える。抵抗値の変化を抑えつつ、低い消費電力も実現するにはスイッチング原理の見直しが効果的だ。

[福田昭,EE Times Japan]

書き込んだ抵抗値が短時間に変化

 半導体メモリの研究開発に関する国際学会「国際メモリワークショップ(IMW:International Memory Workshop)」のショートコース(2016年5月15日)から、SanDiskによる抵抗変化メモリ(ReRAM)の研究開発動向に関する講演概要をご紹介している。今回はシリーズの10回目に相当する。


 講演者はスタッフエンジニアのYangyin CHEN氏、講演タイトルは「ReRAM for SCM application」である。タイトルにあるSCMとはストレージ・クラス・メモリ(Storage Class Memory)の略称で、性能的に外部記憶装置(ストレージ)と主記憶(メインメモリ)の間に位置するメモリとされる。ここで性能とは、メインメモリよりもコスト(記憶容量当たりのコスト)が低く、ストレージよりも高速であることを意味する。

 本シリーズの9回目である前回は、抵抗変化メモリの長期信頼性に関する研究実績をまとめて紹介した。今回は、抵抗変化メモリの抵抗値が書き込み後に変化する現象(リラクゼーション)をご報告する。

 抵抗変化メモリでは、高めの電圧パルスによって高抵抗状態(HRS)あるいは低抵抗状態(LRS)のどちらかの状態を書き込む。そして書き込まれた状態を低い電圧によって読み出す。このとき、書き込み条件によっては書き込んだ抵抗値が短時間に変化することがある。変化の大きさによっては、読み出し不良率の増加を招きかねない。

 抵抗値の変化を促す要因の1つは、書き込み電流の不足である。この場合、十分な書き込み電流を確保すると抵抗値は安定する。ただし、消費電力をなるべく下げるという要求には反することになる。

抵抗変化メモリ(ReRAM)の抵抗値変化。左はISPP(Incremental Step Pulse Programming)技術によって書き込んだ抵抗値の変化。縦軸は累積分布関数(CDF:Cumulative Distribution Function)。右は書き込み電流の違いによる抵抗値変化の違い。下段は書き込み電流が最も低く、抵抗値の変化が大きい。上段は書き込み電流が最も高く、抵抗値の変化が小さい。出典:SanDisk(クリックで拡大)
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