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» 2016年12月14日 09時30分 UPDATE

IoTからIoEへ:製造コスト「数十分の1」、卓上半導体工場 (1/5)

半導体製造の後工程に革新が生まれそうだ。コネクテックジャパンは製造プロセスを一新することで、後工程に必要なコストを抑え、実装時間を短縮するフリップチップ実装装置「MONSTER DTF」を開発した。特徴は低荷重、低温で半導体パッケージを基板に実装すること。例えばMEMSパッケージをフリップチップ実装できるようになり、最終製品の小型・軽量化にもつながるという。

[畑陽一郎,EE Times Japan]

 半導体の製造コストや製造時間を大幅に改善できる装置「MONSTER DTF(モンスターデスクトップファクトリー)」が登場した。従来の製造装置と比較して、装置調達に必要なコストを40分の1に低減でき、製造時間を3分の1に縮めることが可能だという。

 装置を開発したコネクテックジャパンは、「SEMICON Japan 2016」(2016年12月14〜16日、東京ビッグサイト)において、開発機を公開。デスクトップファクトリーを実現する世界最小のフリップチップ実装装置であると主張する(図1)。

 印刷技術を利用し、接合時に必要な圧力や温度を低く保つことで小型化に成功した。装置の寸法は幅2.5m、奥行き0.8m、高さ1.4m。

 主要な装置は3つある。左から順に、基板へ導電性ペーストを塗布するバンプ印刷機、フリップチップ接合を確実にする樹脂ペースト(NCP)の塗布機、チップ実装機だ*1)。なお、図1中、左端の空間はワーク用エアシャワー、右端は完成品を取り出す空間だ。

 MONSTER DTFを導入すると、フリップチップ実装プロセスが3工程(2日間)で完了する*2)。一般的な手法では20台近い大型の製造装置を並べ、34工程が必要だ。工程は6日間に及ぶ。

*1) 同社は2015年12月に開催されたSEMICON Japan 2015において、図1左端にあるフリップチップ実装機の開発途上機を展示している。
*2) 展示した装置を用いた実処理に必要な時間は2分強、その後、1時間の低温加熱工程(アフターキュア)が必要なものの、約2時間で実装が完了する。「ものづくり自体は2時間、移動距離3.5mで完成する」(平田氏)

図1 MONSTER DTFとコネクテックジャパン代表取締役の平田勝則氏 左右の空間と3つの装置からなる。パッケージ基板サイズは500×300mmまで対応。それぞれの装置内に振動を吸収する仕組みを設けたため、特別な作業台を不要とした。同社のつくば/R&Dセンターで撮影

 「装置自体の価格が40分の1に下がるだけでなく、工場に投じる費用も少なくて済む。100m×200mの建屋は必要ない。従来の手法では建屋でクラス1000を確保しなければならず、建設費用は30億円程度にのぼる。当社の装置であれば、そのような設備は必要ない」(コネクテックジャパン代表取締役の平田勝則氏)。装置を設置する床面積を30分の1に低減できることはもちろん、装置内部がクラス100のクリーンブース対応になっており、建物全体をクリーン化する必要がないからだ。

 さらに製造工程にガスを供給するインフラが不要。工業用三相200Vの電力ではなく、家庭用の単相100V電力で動作する。

 今回の装置内には、パッケージを自動的に次工程に送るオートストッカを付けていない。処理能力は大丈夫なのだろうか。「多品種変量生産を考えて、現時点では手送りでストッカごと工程間を受け渡ししている。それでも、月間30万個のフリップチップ実装の能力がある。なお、従来技術を用いた装置メーカーの既存製品では月産40万個である」(平田氏)

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