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アジアとの連携、デジタルマーケティングを強化 —— アヴネット、次なる成長へ準備着々アヴネット 代表取締役社長 茂木康元氏

世界的なディストリビュータであるAvnetの日本法人「アヴネット株式会社」は、アジア地区でのサポート、商材調達などの強化を目指し、アジア法人との連携を強化している。また2017年は、IoT分野などでの顧客獲得などを目的にデジタルマーケティング活動を強化する方針。次なる事業成長に向けて投資を続けるアヴネット・ジャパン社長の茂木康元氏に聞いた。

» 2017年01月16日 10時00分 公開
[PR/EE Times]
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アジアとの連携を強化

――2016年を振り返っていただけますか。

茂木康元氏 2015年7月にアヴネット株式会社(以下、アヴネット・ジャパン)社長に就任し、2期目となる2017年6月期を迎えた。1期目の2016年6月期は、“One Team”(ワンチーム)、“One Avnet”(ワン・アヴネット)を掲げて組織再編を実施した。具体的には、顧客に接する営業部門は1つに統合し、サプライヤーと接する部分は、「半導体」「エンベデッド」と電子部品を扱う「IP&E」という3つのテクノロジー・セグメントで構成する組織体制となった。再編の1つの狙いは、取り扱い商材が増えている中で、さまざまな商材を複合的に提案、販売するクロスセル、ミックスセルを強化するためだ。再編から1年が経過し、主力商材の1つであるFPGAを核に、アナログ半導体と組み合わせたボードレベル提案が定着し、一定の成果を収めることができている。

 売り上げとしても、為替変動など苦しい面もあったが、商権拡大などの要因で成長基調を継続できている。

 また、1期目の途中から準備を進めてきたアジア地区を管轄するAvnet Asiaとの連携強化体制へ2016年10月から無事に移行できたことも2016年の大きな成果だ。

――Avnet Asiaとの連携強化の狙い、新体制について教えてください。

茂木氏 例えば、アジアと日本でITシステムを共通化し、同じプラットフォームで情報を共有できるようになった。また、これまでアヴネット・ジャパン独自に展開してきたアジア地区拠点をAvnet Asiaの各拠点内に移すなどの効率化も図った。

 そして何より、3000人を要するAvnet Asiaの人的リソースをアジアに展開する日本の顧客のために活用しやすくなった点が大きい。Avnet Asiaには多くのフィールドアプリケーションエンジニア(FAE)が在席しており、昨今、要望が増えているアジア現地でのデザインサポートも、より充実した形で提供できるようになった。

半導体/電子部品商社事業に集中

――Avnet全社としての2016年を振り返ると、半導体/電子部品を扱うエレクトロニクスマーケティング(EM)事業と2本柱を成したサーバなどを扱うテクノロジーソリューション(TS)事業を売却されました。

茂木氏 2016年7月に新CEOに就任したWilliam Amelioの下、半導体/電子部品商社事業により集中するとの戦略を明確にし、TS事業を売却することになった。全社売り上げの4割を占めた事業を売却したわけだが、決して事業を縮小したわけではなく、半導体/電子部品商社事業への投資を増やし、Avnetとして成長を加速させる姿勢に変わりはない。

Premier Farnellが展開する半導体/電子部品Web販売サイト

 実際、Webを通じた販売、サポートなどデジタルマーケティング機能の強化策として、イギリスに本社を置きデジタルプラットフォームを利用した電子部品販売を得意にするPremier Farnell(プレミア ファーネル)を買収した。

 IoT(モノのインターネット)化が進む中で、半導体、電子部品を利用するユーザー層は拡大しており、これまで以上に広い間口の販売チャネルが必要でその1つの解としてデジタルマーケティングの重要性が増している。優れたデジタルコンテンツを有しているプレミア ファーネルを買収したことにより、Avnetのデジタルマーケティング力は大きく強化されることになった。

 まずは、欧米地域で先行して、統合作業が進められ、その後アジアなどでもプレミア ファーネルのノウハウを生かした事業活動が展開される見込みだ。もちろん、日本でもデジタルマーケティングを強化していく方針だが、どのような形で強化していくかは、欧米での統合作業を見守りながら2017年6月期中に決めていく予定だ。そのため、日本でのデジタルマーケティング強化は来期、2018年6月期になるだろう。

オートモーティブ、IoT分野に期待

――2017年の展望をお聞かせください。

茂木氏 市況については、不透明な部分も多いが、オートモーティブ分野、IoT分野などの成長分野に注力し成長を継続したい。

 オートモーティブについては、ターゲットにしているインフォテインメント領域やオートモーティブ周辺領域が自動運転化の流れを受けて市場拡大が続いており、2017年も人的投資を増やしながら、自動運転関連システム向け商材の獲得、拡販を進めていく。

 IoTは、全社レベルで注力している領域であり、米国本社やアジア法人とともにIoTに不可欠なセンサーや通信用デバイスのラインアップを拡充していく。同時に、国内のパートナー企業と連携を強めて、システムレベルのソリューション提案も強化していく。

 2017年は、成長分野への注力とともに、クロスセル/ミックスセルのさらなる拡大、当社の強みでもあるエンベデッド事業の強化を進めたい。

 クロスセル/ミックスセルについては、まだまだ“FPGA+アナログ”といった半導体同士の組み合わせが多く、機構部品などを組み合わせたより総合的な提案が行える余地があり、強化していきたい。

――Avnet全社共通の成長戦略として「オーガニック(有機的)な成長」とともに、「バリュークリエーション(価値創造)を目的にした戦略的M&Aによる成長」の2つを掲げてこられました。この戦略はAmelio新CEOも継続されるのですか?

茂木氏 「有機的な成長」と「戦略的M&Aによる成長」という両輪での成長を目指す方針は変わらない。もちろん、日本でも同じ戦略であり、戦略的M&Aの検討は常に検討していく。


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提供:アヴネット株式会社
アイティメディア営業企画/制作:EE Times Japan 編集部/掲載内容有効期限:2017年2月15日

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