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» 2017年01月26日 11時30分 UPDATE

この10年で起こったこと、次の10年で起こること(12):ファーウェイ製スマホ分解で見えたアップル/サムスンを超えた“中国のチップ開発力” (2/3)

[清水洋治(テカナリエ),EE Times Japan]

P9の搭載チップを分析

 図2はP9内部のチップ構成である。基本的なスマートフォンとしての機能は、Huawei傘下の半導体設計開発メーカーHiSilicon Technology(ハイシリコン・テクノロジー)のチップセットに、パワーアンプ、センサー、Wi-Fiチップを付加して完成する。

図2:Huaweiのスマートフォン「P9」に採用されるチップセット (クリックで拡大) 出典:テカナリエレポート

 スマートフォンの基本となる、プロセッサ、電源IC、オーディオチップ、通信用のRFトランシーバーはHiSiliconのチップセットで構成されている。こうしたチップセットでも供給ができるメーカーは限られている。米国ではQualcomm(クアルコム)、韓国Samsung、台湾MediaTek(メディアテック)に加えて、中国メーカーが続いている。日本、米国、欧州のメーカーは2014年までにほとんどがこの分野から撤退した。中国メーカーではHiSilicon、Spreadtrum Communications(スプレッドトラム・コミュニケーションズ)、Leadcore Technology(リードコア・テクノロジー)、RDA Microelectronicsなどがチップセット化を実現し、スマートフォンやIoTの分野に“プラットフォーム“提供を行っている。

16年6月発売の「P9」と16年末発売「Mate 9」の違い

 図3はHuaweiの最新機種であるMate 9のカメラの外観、仕様である。

図3:Huawei社が2016年後半に発売したスマートフォン「Mate 9」のカメラ部 (クリックで拡大) 出典:テカナリエレポート

 モノクロ側イメージセンサー(深度情報を取得するセンサー)の画素数が著しく増えており、レンズの形状もP9とは大きく異なっている。P9ではほぼ同じレンズを用い、配置を0.3度傾けることで深度を出していたが、Mate9ではレンズも非対称になっている。分解前に少しカメラ撮影を試してみたが、驚くほど深みのある(立体的な)映像を撮影することができた。

 図4は、Mate9の内部構成である。

図4:Huaweiのスマートフォン「Mate 9」に採用されるチップセット (クリックで拡大) 出典:テカナリエレポート

 P9と同じく、HiSiliconのチップセットを用いている。大きく異なっているのは、P9が「Kirin955」というチップセットであったことに対してMate 9では、「Kirin960」という、新しいチップセットに切り替わっている点だ。

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