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» 2017年02月02日 13時30分 UPDATE

高精度の測距を生かして:車の盗難防止に使える! BLE/UWBモジュール (1/2)

SiP(System in Package)を手掛けるフランスのInsight SiPは、Bluetooth Low Energy(BLE)とUWB(Ultra Wide Band)のチップを搭載した最新モジュール「ISP1510」を、自動車向けに展開することを目指している。同社は、キーレスエントリーシステムを備えた自動車の盗難防止に貢献できると意気込む。

[村尾麻悠子,EE Times Japan]

自動車盗難の新たな手法

画像はイメージです

 「スマートキーリレーアタック」という言葉を聞いたことがあるだろうか。ここ数年でじわじわと増加している、新手の自動車盗難の手法である。スマートキーから常時発信されている微弱な電波を、自動車のオーナーの近くにいる犯人Aが盗み、その電波を中継(リレー)して、自動車の近くで待機している犯人Xまで届け、車両ごと盗難してしまうやり方だ。特に欧米では被害が深刻になっており、自動車保険を扱う会社が頭を悩ませているという。

 電波を遮断するケースにスマートキーをしまう、コピーガードを使うといった対策も幾つかあるようだが、フランスのInsight SiPが開発したモジュールが有効な防止対策になるかもしれない。

BLEとUWBに対応する小型SiP

 その鍵となる製品が、Insight SiPが2016年に発表した最新の無線モジュール「ISP1510」だ。2017年1月18〜20日に開催された「第3回 ウェアラブルEXPO」でも展示していたモジュールである。

 ISP1510は、Bluetooth Low Energy(BLE)チップとUWB(Ultra Wide Band)チップの他、それぞれに対応する2本のアンテナ、ARMの「Cortex- M4」コアベースのCPU、DC-DCコンバーター、512kバイトのフラッシュメモリと64kバイトのSRAMなどを1パッケージに収めている。外形寸法が9×16×1.9mmと非常に小型なことが特長だ。

「ISP1510」
ISP1510のブロック図。BLEチップはNordic Semiconductorの「nRF52832」を、UWBチップはDecaWaveの「DW1000」を採用した(クリックで拡大) 出典:Insight SiP

 Insight SiPのCEOであるMichel Beghin(ミッシェル・ビギン)氏によれば、ISP1510の主要ターゲット市場は、高精度なポジショニングだという。UWBトランシーバーICを搭載しているので、UWB信号を使って高精度な測距ができるからだ。測距の仕組みはレーダーと同じで、送信機からUWB信号を受信機に送り、受信機がそれを受信した時間の差(ミリ秒程度)から、ソフトウェアによって送受信機間の距離を算出する。UWBの信号は波長が長いので、時間の精度が高く、従って距離も高精度に測定できる。

 では、これをどうやって、スマートキーリレーアタックの防止に使うのか。

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