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ローム、車載向けハイレゾ音源対応プロセッサ車室内の音像をより正確に表現

ロームは、ハイレゾリューション(ハイレゾ)音源対応の車載オーディオ機器向けサウンドプロセッサ「BD34602FS-M」の量産を始めた。

» 2017年02月14日 10時30分 公開
[馬本隆綱EE Times Japan]

音源が持つ情報量を余すことなく引き出す

 ロームは2017年2月、ハイレゾリューション(ハイレゾ)音源対応の車載オーディオ機器向けサウンドプロセッサ「BD34602FS-M」の量産を始めたと発表した。

BD34602FS-Mの外観

 BD34602FS-Mは、一般的にサンプリング周波数が96kHz以上、量子ビット数が24ビット以上の情報量を持つ「ハイレゾ音源」に対応した製品である。新製品は、音質を向上させる回路構成の採用や28項目の独自パラメーターを最適化するなど、独自の音質設計技術を導入している。

 しかも、ひずみ率は0.0004%、フロアノイズは3.1μVrmsを達成するなど、車載オーディオ機器用サウンドプロセッサとして、業界最高クラスの特性を実現した。これらの技術によって、車室内における音源の位置や距離感など、音像をより正確に再現することが可能となる。

車載オーディオ機器におけるサウンドプロセッサの位置付け 出典:ローム

 オーディオ信号処理の核となるオーディオ用SoCは、微細加工プロセスの採用などにより、取り扱うオーディオ信号はより小さくなっている。このため、相対的にフロアノイズが増加することとなり、SoCの後段に用いられるアナログボリューム回路では、低ノイズ化が求められている。

 新製品は、中点バイアス回路のノイズを約20%抑制し、ボリューム回路で発生する低域ノイズを最大1/10とするなど大幅に低減した。さらにレイアウトの工夫で信号間の干渉を抑えることで、トランジェント特性を改善している。この結果、音像や解像度(音の明瞭度合い)をさらに向上させることができたという。

左は新製品と従来品のアナログボリューム回路の音質比較データ、右はボリューム回路のノイズ特性 出典:ローム

 この他、ナビ音声やハンズフリー機能に必要となる音声割り込み機能(ミキシング機能)を搭載している。しかも、独自のアドバンストスイッチ技術を導入することで、この機能をオン/オフする時に生じていたポップノイズを低減している。

BD34602FS-Mの主な仕様 (クリックで拡大) 出典:ローム

 BD34602FS-Mは、すでにサンプル出荷中でサンプル価格(税別)は2000円。2017年1月より月産10万個体制で量産を始めた。

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