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» 2017年02月15日 13時30分 UPDATE

スマホやVR端末向け:「従来と表現力が違う」 厚さ0.35mmの振動ユニット

TDKは2017年2月14日、積層圧電素子と振動板からなるユニモルフ構造の振動ユニット「PiezoHaptアクチュエータ」を発表した。担当者は「従来と、振動の表現力が違う」と語る。

[庄司智昭,EE Times Japan]

振幅の大きさや間隔を自由に変更可能

 「スマートフォンの振動に用いられている偏心モーターやリニアアクチュエーターは、厚みがあるため、ホームボタン近くにのみ配置され、そこから全体に振動が伝わっている。当社のアクチュエーターは、厚さが約0.35mmと薄く、端末全体に配置が可能なため、触った箇所が直接振動するのだ。つまり、振動の“表現力”が違う。VR(仮想現実)を用いたゲームなどで、大砲や機関銃の振動をリアルに表現可能になる――」(TDK)

 TDKは2017年2月14日、積層圧電素子と振動板からなるユニモルフ構造*)の振動ユニット「PiezoHaptアクチュエータ」を発表した。スマートフォンのディスプレイやウェアラブル端末、VR端末などへの普及を狙う。偏心モーターは、コイルとマグネットを用いて振動させるが、TDKは今回セラミックを積層した。これにより、約0.35mmと「世界最薄クラス」の厚さを実現しただけでなく、さまざまなメリットを発揮する。

*)ユニモルフ構造:金属板の片面にセラミックスの圧電素子を貼り付けした構造である。

PiezoHaptアクチュエータ (クリックで拡大) 出典:TDK

 1つは、24V以下と低電圧でも振動の感覚を皮膚に伝えることが可能なことだ。これまでもセラミックを用いたアクチュエーターは存在していたが、200V程度の駆動電圧を必要としていたため、周辺回路の構成が困難だったという。従来の圧電方式よりも、現行のリニアアクチュエーターに近い駆動電圧である24V(Max)を実現したため、スマートフォンなどへの採用にも期待がかかる。担当者は「既に何件か引き合いがある」と語る。

 電圧の入力から約0.004秒で立ち上がることも特長である。偏心モーターと比較して駆動電圧はまだ高いが、短時間で立ち上がるため消費電力量が少ない。また、偏心モーターの振幅は設計によって決まるが、PiezoHaptアクチュエータは周波数を変えることで、振幅の大きさや間隔を自由に変更できるため、多様な振動パターンを表現可能だ。

2017年3月からサンプル出荷を開始

 TDKは、これまでにも特定顧客向けに振動ユニットを提供してきたが、力や振動などの触覚フィードバック技術「ハプティクス」が、VRなどのさまざまな分野で活用が期待されることから製品化に至ったという。TDK子会社のEPCOSも、2016年11月にハプティクス向けアクチュエーター「PowerHap」を発表している。PowerHapは高い加速度と大きな発生力を備えており、自動車や産業機器などに向く。PiezoHaptアクチュエータは、その他の幅広い用途を補完するため、両製品はすみ分けができているとした。

 2017年3月からサンプル出荷を開始し、サンプル価格は1個当たり3000円。使用温度範囲は、−10〜60℃である。生産開始は同年5月で、月産5万個を予定している。担当者は「従来と違う“表現力”を前面に押し出し、普及を狙う」と力強く語った。

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