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» 2017年02月16日 13時30分 UPDATE

CNT、グラフェン普及に貢献へ:産総研、ナノ炭素材料の安全性試験手順書を公表

産業技術総合研究所(産総研)と単層CNT融合新材料研究開発機構(TASC)は、「ナノ炭素材料の安全性試験総合手順書」を公表した。Webサイトから無償でダウンロード可能だ。

[庄司智昭,EE Times Japan]

無償でダウンロード可能

 産業技術総合研究所(産総研)と単層CNT融合新材料研究開発機構(TASC)は、カーボンナノチューブ(CNT)などのナノ炭素材料を取り扱う事業者の自主安全管理を支援するため、「ナノ炭素材料の安全性試験総合手順書」を2017年2月15日に公表した。

 CNTやグラフェンなどのナノ炭素材料について、容易で迅速な培養細胞試験とそれを補完する動物実験の評価手法と実施例がまとめられている。NANO SAFETY産総研のWebサイトから無償でダウンロードすることが可能だ。産総研は「製造、加工現場の自主安全管理を支援することで、ナノ炭素材料の普及拡大に貢献する」とコメントした。

「ナノ炭素材料の安全性試験総合手順書」の表紙 出典:産総研

 産総研によると、ナノ炭素材料はサイズが極めて小さいことや形状が特殊なことから、これまでの化学物質にはない特有の生体影響を引き起こする懸念もあるのが現状である。技術革新のスピードが速く、安全性に関する知見も構築途上の状況では、事業者は予防的な考えに基づき、自主的な安全管理に取り組むことが重要という。

 しかし、事業者が自主的にナノ炭素材料の安全性を確認することは容易でない。生体影響に関する安全性評価は動物試験が一般的だが、多くの費用と時間を必要とし、個々のナノ炭素材料全てに実施することは困難だ。3R原則(代替、削減、苦痛の軽減)に基づき、世界的にも動物試験に依存しない安全性評価が求められている現状もある。

 産総研とTASCは、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)プロジェクトにおいて、ナノ炭素材料における容易で迅速な安全評価方法を開発してきた。その1つが、培養細胞試験となる。培養細胞試験を行うため、産総研とTASCはナノ炭素材料を培養液中に安定に分散させる試料調製技術と計測技術、適切な評価項目の選定などに取り組み、2013年にまずCNTを対象とした「安全性試験手順書」を公表している。

 今回は、対象物質を多層CNTや剥離グラフェン、半導体型および金属型分離単層CNTなどに広げ、これを補完する動物実験の評価手法と実施例も加えたとする。

 なお同書は、2017年2月15〜17日に東京ビッグサイトで開催している「nano tech 2017 国際ナノテクノロジー総合展・技術会議」のNEDOブースで展示されている。

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