特集:IoTがもたらす製造業の革新〜進化する製品、サービス、工場のかたち〜
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» 2017年02月24日 11時30分 UPDATE

IoTデバイスの開発秘話(6):0.4mmフィルムを組み込むIoTマットレスの挑戦 (1/3)

睡眠の質を向上するIoTマットレス「MOORING」が登場した。睡眠は人生の3分の1、約26年間もの時間を占めているという。MOORINGは、組み込んだPP電圧フィルムから身体反応を取得し、人工知能も活用することで、万人に共通する睡眠の質改善として有効な“温度”を調節する。

[庄司智昭,EE Times Japan]

睡眠の質を向上するIoTマットレスパッド

 冬が好きでない。寒いからだ。特に家で寝るときは、暖房を切らないと大変な電気代になりそうなので、いつも凍えそうになりながら寝ている。電気毛布を導入すれば良さそうだが、面倒だから買っていない。ひたすら春になるのを待っている。

 そんな時にクラウドファンディングサイト「GREEN FUNDING」で、睡眠の質が向上するIoTマットレス「MOORING(モーリング)」を見つけた。恐ろしいことに、そのページには「睡眠は人生の3分の1、約26年間もの時間を占めている」と書かれている。

 あと約20年も凍える思いをしたくない、MOORINGがただただ欲しいという思いから、日本でMOORINGの独占代理店をしているELESTYLEで最高技術責任者(CTO)を務める浦力镄氏と、PRマネジャーである松本華澄氏に話を聞かせてもらった。

IoTマットレスパッド「MOORING」 (クリックで拡大) 出典:ELESTYLE

 MOORINGは、質の高い睡眠を得るのに重要な“温度”に着目して開発されたIoTマットレスである。開発元である中国のMIRAHOMEが独自に開発したPP電圧フィルムがマットレスに組み込まれており、心拍数や呼吸、体動などを測定する。

 コントローラー部では温度や湿度、照明の明暗を測定。睡眠中の身体反応をデータ化することで、快適な睡眠に必要な適温を導き出し、マットレスの温度を調節している。

必要なのは“寝るだけ”

 MIRAHOMEはこれまで5万人の睡眠データを研究し、睡眠時の温度環境が自身の適温と3℃以上差があった場合、睡眠の質が20%も低下すること発見したという。

 松本氏によると、人間はノンレム睡眠に向かって深部体温を下げた後、体温を上昇させて起床へと移行する。入眠時と深睡眠時では、深睡眠時に深部体温が低いほど熟睡度は増え、深部体温の変動がスムーズなほど寝付きや起床もスムーズになるとする。しかし、睡眠中の体温変動とともに適温も変化するため、常に理想的な温度環境を保つことは難しく、温度の変化が深睡眠時の快眠を阻害している可能性がある。

 MOORINGでは、体温の低下に合わせてマットレスの温度を低下。身体の休息を妨げないよう、適温を保ち深眠期の時間を伸ばす。起床に向けて体温が上昇すると、マットレスの温度を上昇させて、寝起きのつらさを減少する。個々の適温は、体質や睡眠サイクルによって変化するため、人工知能で身体反応データを解析し、温度を調節している。

「MOORING」の構造 (クリックで拡大) 出典:ELESTYLE

 取得したデータは全て暗号化し、コントローラーからWi-Fiを経由して、クラウド上に保存される。利用すればするほどデータ量が増えるため、精度が上がる仕組みだ。

 「身体データを測定できるデバイスは他にもあるが、充電や電源のオン/オフなど寝る前のひと手間が必要だった。必ず肌のどこかにも触れていないといけない。MOORINGは非接触式のセンサーを用いているため、そのまま寝るだけで良い」(松本氏)

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