FDKと富士通研究所は、全固体リチウムイオン電池の正極材料として、エネルギー密度が高い「ピロリン酸コバルトリチウム」を共同開発した。
FDKと富士通研究所は2017年2月、全固体リチウムイオン電池の正極材料として、エネルギー密度が高い「ピロリン酸コバルトリチウム(Li2CoP2O7)」を共同開発したと発表した。
全固体電池は、電解液の代わりに固体内でイオンを移動できる固体電解質を用いた電池。FDKは、全固体電池の中でも酸化物系材料を用いた全固体リチウムイオン電池の開発に注力している。
今回は、FDKのCAE技術と富士通研究所の材料形成技術を活用し、エネルギー密度が860Wh/kgの正極材料「Li2CoP2O7」を開発した。既存のリチウムイオン電池に用いられている正極材料のエネルギー密度(実用値)は、LiFePO4が530Wh/kg、LiCoO2が570Wh/kgであり、これらに比べると開発品は約1.5倍も高い。
両社は今回開発した材料について、全固体電池に採用した時の特性シミュレーションも行った。これによると、既存のリチウムイオン電池に採用されている正極材料に比べて、約2倍のエネルギー密度で動作する能力を持つことが分かった。
今回の開発成果は、「第8回国際二次電池展」(2017年3月1~3日、東京ビッグサイト)のFDKブースにおいて資料展示している。
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