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» 2017年03月10日 12時00分 UPDATE

TSMCとも協業:イーサネットスイッチでBroadcomに挑む新興企業 (2/2)

[Rick Merritt,EE Times]
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MediaTekからのスピンアウト

 Koh氏は、「Nephosの開発チームは、確実に成功を収めるだろう。Nephosは、MediaTekで5年間の活動実績を持つスピンオフ企業であり、新興企業ではない。その上、BroadcomやCiscoでの勤務経験があるエンジニアたちを確保している」と主張する。

 MediaTekの経営幹部たちは2012年に、中核とするモバイル/コンシューマ市場以外での成長を模索する上で、イーサネットスイッチチップに焦点を絞ったデータセンター部門を設立した。その後、社外からの資金投資と人材を呼び込むべく、2016年2月に同部門をスピンアウトした。

 このスピンアウト部門にネットワークの専門家たちが加わり、技術や販売、管理などの部門を担当するようになった。この中には、BrocadeのファイバーチャネルASICや、Ciscoのイーサネットチップ、BroadcomのSDKなどの開発を手掛けたエンジニアリング担当マネジャーたちも含まれているという。

 Koh氏は、「開発チームが手掛けた10Gbpsおよび28GbpsのSerDesなどの独自コアは、Ciscoの研究所で試験に合格している。2017年中に、56G SerDesの開発にも着手する予定だ」と述べている。

 MediaTekは、Nephos株式の75%以上を保有する。Nephosの時価総額は3億米ドル超、従業員数は約130人だ。Koh氏は、「シリーズAの投資ラウンドでは、アジア各国の投資家たちを引き付け、今後2年以上にわたって事業を継続できるだけの十分な資金を確保することができた。今後行われる予定のシリーズBでは、米国や欧州の技術的バックグラウンドを持つ投資家たちを集めたいと考えている」と述べる。

 Nephosは2016年初めに、同社にとって初めての製品となる10Gbpsのスイッチを、ひそかに市場投入していた。帯域幅の合計は960Gbpsで、Broadcomの「Trident」にほぼ匹敵するという。

 Koh氏は、「当社のチップは現在、中国で稼働中のデータセンターにおいて300個以上使われており、台湾で2番目の規模を誇るメーカーの事業部門でも採用されている」と述べる。このチップは、現在データセンターで使われている25Gbpsのポートでの使用には適さないが、48個の10Gリンクと、6個の40Gリンクに設定することが可能だという。

Nephosのプラットフォームの構造(クリックで拡大) 出典:Nephos

 Koh氏は、「当社は先日、第2世代のTaurusをテープアウトしたところだ。2017年4月にはサンプル出荷を開始し、Juniper NetworksやCiscoとの間で試験を行う予定だ」と述べる。

 Taurusでは、シングルのRTLベースとSDK(ソフトウェア開発キット)を1つ使用することにより、あらゆるデータセンター向けスイッチのニーズに対応可能な製品シリーズを提供することを目指すという。

 Koh氏は、「Broadcomは、TridentとTomahawkでそれぞれ異なるRTLコードを使用しているため、統一アーキテクチャを主張することはできない。しかし当社製品は、1つのソフトウェアで、あらゆる種類のスイッチに対応することが可能だ。既に、Broadcom製品の置き換えを検討中の顧客企業を確保している」と述べる。

Broadcomに代わる製品が求められている

 Linley GroupのWheeler氏は、「データセンター事業者らは、Broadcom製品の代替品を求めている。現在既に、いくつかの製品が登場したところだ」と述べている。

 例えばCaviumは、Arista Networksをはじめとする顧客企業に向けて、2014年末に発表したチップ「Xpliant」の出荷を開始している。新興企業であるBarefoot Networksも、2016年に発表したチップ「Tofino」をサンプル出荷しているところだ。また、新興企業Innoviumは、間もなく新製品を発表予定だという。Nephosは、数々のライバル企業の中でも特に、イーサネットスイッチ市場を追求している企業として、MarvellとMellanox Technologies、中国のCentec Networksを挙げている。

 Wheeler氏は、「現時点で明確なのは、Broadcom製品の代替品を求める声が上がっているという事実だ。Nephosは、親会社であるMediaTekを介して、TSMCとの間で製造関連の協業体制を構築しているという強みを持っている」と指摘する。

【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】

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