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» 2017年03月29日 11時30分 UPDATE

この10年で起こったこと、次の10年で起こること(14):Nintendo Switchのチップ解剖から考えるデグレード版Tegra X1を選んだ理由 (1/3)

今回は、任天堂の歴代ゲーム機の搭載チップを簡単に振り返りつつ、2017年3月発売の新型ゲーム機「Nintendo Switch」の搭載チップについて考察する。発売前「カスタマイズされたTegraプロセッサ」とアナウンスされたプロセッサの内部は、意外にも「Tegra X1」の“デグレート版”だった……。

[清水洋治(テカナリエ),EE Times Japan]

半導体チップからゲーム機を作り上げてきた任天堂

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 2017年3月3日に任天堂からゲーム機「Nintendo Switch」が発売された。任天堂は歴代、新たな半導体チップを擁して常にゲーム機の新しさを追求してきた会社の1社である。初代「ファミリーコンピュータ」(以下、ファミコン)、「スーパーファミコン」、「NINTENDO64」などで独自チップを作り、その上で走るユニークなソフトウェアで一時代を築いてきた。図1は、今回発売されたNintendo Switchの前世代ゲーム機である「Wii U」と「3DS」(2014年版)に搭載されているメインプロセッサの様子である。

図1:任天堂は歴代機で半導体の盟主だった (クリックで拡大) 出典:テカナリエレポート

 任天堂のゲーム機用チップは初代ファミコンからCPUとグラフィック系チップを用いている。Wii UではIBMのPowerPC系のCPUを3基持ち、GPUはAMDのRadeon HDのモディファイ版が使われている。2チップ構成だ。ともにWii U専用の新規開発のカスタムチップであった。携帯ゲーム機の「3DS」では富士通セミコンダクター(現ソシオネクスト)が設計したチップを採用している。こちらは45nmプロセスから28nmプロセスへと製造プロセスの微細化によるコストリダクションを経ているが、当初からディジタルメディアプロフェッショナル(DMP)のGPUとARMコアを1チップ化した、CPU+GPU構成となっている。

“カスタマイズされたTegraプロセッサ”に迫る

 Nintendo Switchは2017年1月13日、東京ビッグサイトで開催された「Nintendo Switchプレゼンテーション2017」で発表された。米国の半導体メーカーNVIDIAと共同開発を行った「カスタマイズされたTegraプロセッサ」が活用されていることが発売前から明らかになっていた。

 図2は、販売開始になったNintendo Switchの背面と、背面下部に印字されている文字部分、背面カバーを取り外したところである。

図2:任天堂スイッチはドイツ生まれ (クリックで拡大) 出典:テカナリエレポート

 背面下部には商品に関する情報(型名、デザイン場所、製造場所、年号)が書かれている。どの製品もこの情報から「いつ、どこで、だれが」開発したかが分かる。Nintendo Switchは順に「2016年、ドイツの任天堂が設計し、中国で製造した」ことが読み取れる。

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