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» 2017年04月11日 11時30分 UPDATE

GPUより性能10〜100倍!?:FPGAを使い切る高性能コンピューティングを提案 (1/3)

PALTEKとベクトロジーは2017年4月から、ビデオ処理や機械学習、ビッグデータ分析などハイパフォーマンスコンピューティングをFPGAで実現するためのボードベースプラットフォーム「DATA BRICK」の販売を開始する。GPUなどでは実現が困難な高速処理性能をFPGAボードと、FPGA設計ノウハウで実現する。

[竹本達哉,EE Times Japan]

PALTEKとベクトロジー

 GPUよりも優れた性能、拡張性を持つ「FPGAコンピューティング」を世界へ広めたい。

 PALTEKとベクトロジーは2017年4月からビデオ処理や機械学習、ビッグデータ解析などの処理に向くとする“FPGAコンピューティング”を実現するボード「DATA BRICK」の販売を開始する。

FPGAコンピューティングプラットフォーム「DATA BRICK」 (クリックで拡大)

 ビッグデータ分析などハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)領域では、CPUだけで構成する従来システムから、CPUとともにハードウェアアクセラレーターをコプロセッサとして使用するシステムの普及が始まっている。そうしたコプロセッサとしては、現状、GPUを用いたシステムが主流だが、一部でFPGAをコプロセッサとして、活用する動きも出ている。Amazon(Amazon Web Service)による、FPGAの利用を打ち出したクラウドコンピューティングサービス「Amazon EC2 F1 Instances」の提供開始などがそうだ。FPGAのフレキシビリティを生かし、ユーザーそれぞれのカスタムアルゴリズムをクラウド上に実装できる点で注目を集めている。

 PALTEKとベクトロジーが提案する“FPGAコンピューティング”も、CPUのコプロセッサとしてFPGAを活用するという点では同じではあるが、「再構成可能なFPGAのフレキシビリティを生かすというよりも、FPGAのコンピューティング能力そのものを生かした活用法という点で、これまでのFPGA活用とは異なる」(PALTEK デザインサービスディビジョン事業部長の福田光治氏)という。

 ベクトロジー社長の篠田義一氏は「これまで、FPGAをCPUのコプロセッサ、ハードウェアアクセラレータとして使用する場合、FPGAリソースの60%程度しか使用できていない。FPGAリソースの全てを使い切れるような設計スキルがない場合がほとんどのためだ。仮に、FPGAを100%使い切る設計ができたとしても、FPGAを100%動かすことのできる電源供給能力、放熱能力を備えた市販ボードは存在せず、電源設計、放熱設計を自前で行うことも困難でFPGAを使い切ることが難しかった。(PALTEKとベクトロジーが共同開発した)DATA BRICKは、FPGAを使いきることができ“FPGAコンピューティング”を実現する」と説明する。

FPGAを使い切るハードと受託設計サービスを提供

 DATA BRICKは、AmazonがAmazon EC2 F1 Instancesで採用しているXilinxの16nmプロセス採用FPGA「UltraScale+ FPGA XCVU3P-2FFVC1517I」を搭載。そして、このXCVU3P-2FFVC1517Iをフルに使用した場合でも動作させることのできる電源デバイスを備える他、最大16Gバイト容量までDDR4-2400 DRAMを拡張できるメモリスロット(標準は8Gバイト容量搭載)を持つ。

 肝心の“FPGAを使い切る設計”は、FPGAの受託開発を手掛けてきたベクトロジーが、受託開発という形で対応する。ベクトロジーはこれまでも研究機関や電機メーカーなどの依頼を受け、FPGAのリソースを最大限生かしたFPGA受託開発ビジネスを展開。これまでの受託開発で蓄積してきた「ユーザーのアルゴリズムをFPGAに最適化し、FPGAを使い切る形で実装する」(篠田氏)という設計ノウハウを、DATA BRICKとともに提供する。

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