インタビュー
» 2017年04月26日 13時30分 UPDATE

半導体商社トップインタビュー 菱洋エレクトロ:エンドユーザータッチという価値で勝負する商社 (1/4)

再編が進み大きく業界地図が塗り変わりつつある半導体業界。半導体を取り扱う半導体商社の経営環境も激変期にある。そこで、EE Times Japanでは各半導体商社の経営トップにインタビューし、今後の成長、生き残り戦略を聞く企画を進めている。今回は、バリュー追求型の商社として成長を目指す菱洋エレクトロの大内孝好社長に聞いた。

[竹本達哉,EE Times Japan]

半導体商社が追い求めるのは“存在価値”

 半導体商社の経営環境は大きく変わっている。仕入れ先の半導体メーカー、販売先の電機メーカーともに合従連衡、淘汰(とうた)がやまず、半導体商社は仕入れ先、売り先を突然に失うといったリスクを抱え続けている。そこで半導体商社に問われるのが、半導体商社としての存在価値だ。仕入れ先のメーカー、売り先の顧客にとって価値の大きな商社であれば、サプライヤーと商社、顧客と商社という関係を簡単に断ち切られるリスクは減っていくからだ。

 今、半導体商社はそれぞれの存在価値を磨き、生き残りを図っている。三菱電機やIntel、NVIDIAなどの半導体デバイスとともに、MicrosoftなどのICT製品/ソリューションを取り扱う商社である菱洋エレクトロもその1社。「生き残るには、バリューを追求していくしかない」と言い切る菱洋エレクトロ社長の大内孝好氏に、菱洋エレクトロの価値とは何か、今後の成長戦略を交えてインタビューした。

菱洋エレクトロ 社長 大内孝好氏

バリューを追求していくしかない

EE Times Japan(以下、EETJ) 電機業界、とりわけ、半導体業界は再編が加速し、エレクトロニクス/半導体商社を取り巻く経営環境は厳しさを増しています。

大内孝好氏 業界再編を受けて、エレクトロニクス商社は、どう生き残るかが問われている。商社として生き残る選択肢は2つ。1つは取り扱い規模を大きくし“メガディストリビューター”として生き残る道。もう1つが顧客、サプライヤーなどに対し独自の価値、“バリュー”を提供する商社として生き残る道。

 菱洋エレクトロは後者のバリューを追求していくしかない。

EETJ 規模は追わないということですか。

大内氏 メガディストリビューターとして、取り扱い商材を増やしていくことは現実的ではないという意味だ。これから新たに大手の半導体メーカーから商権を獲得するのは難しい。

半導体×ICTで生まれるバリュー

EETJ 追求していくバリューとは、何でしょうか。

2017年1月期売上高(984億円)の品目別売り上げ構成。ICT/ソリューションビジネスの売り上げ比率は4割を超える 出典:菱洋エレクトロ

大内氏 当然、個々の半導体製品の価値、バリューを打ち出すだけでは十分ではない。ただし、主力サプライヤーの方向性に沿いながら、菱洋エレクトロのバリューを提供していく。主力サプライヤーであるIntelはこのところ、多くの企業を買収するなどIoT(モノのインターネット)や車載市場での事業強化を続けている。同じく主力サプライヤーのNVIDIAもAI(人工知能)、ディープラーニング領域で事業強化を進めている。

 こうしたトレンドに対し、菱洋エレクトロとして提供できる独自のバリューは、売上高の40%超を占めるICT/ソリューション事業を展開しているという点で、他の半導体専門商社とは少し違った特長、価値を提供できると考えている。かっこよく言えば、菱洋エレクトロはデバイスからシステムまで一気通貫にカバーできる商社として価値を提供していく。

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