中国のPowerVisionが潜水ドローン「PowerRay」を発表した。PowerRayは水中深くまで潜り、撮影した映像をVR(バーチャルリアリティ)ゴーグル経由で見せてくれる。釣りに役立つ機能もいくつか搭載。開発に当たっては、技術的に苦労した点もあったという。
サンゴ礁など海中のきれいな風景を、ボートやヨットに乗ったまま拝める時代がやってきた――。中国のPowerVisionは2017年5月16日、海や湖の中をスイスイ泳いで駆け回り、撮影した映像をリアルタイムで見せてくれる潜水ドローン「PowerRay」の発表会を開催した。
PowerRayは、販売価格約17~22万円のコンシュマー向け潜水ドローンだ。最大で水深30mの水圧に耐えられ、4k解像度95°の広角カメラで水中を連続撮影できるばかりか、4Kで25フレーム/秒の動画撮影も可能だ。付属のVR(バーチャルリアリティ)ゴーグルと組み合わせて使えば、まるで自分で素潜りして見ているかのように、水中の景色をリアルに体験できる。
PowerVisionの最高経営責任者であるWally Zheng(ウォーリー・ヅェン)氏は発表会で、水中を仮想的に散策したい人だけでなく、釣り人もPowerRay販売のターゲットだと語った。PowerRayには、魚群誘導灯、魚群音波探知機(ソナー)、釣り餌投下機など、釣りに役立つ機能がいくつか備わっている。これらの機能とVRゴーグルを併用すれば、魚がいるかどうかを自分の目で確認して、餌を理想的な場所にリリースすることができる。Wally Zheng氏は、「PowerRayを市場投入することで、釣り愛好家の多い日本で革命を起こす」と自信を見せた。
魚群、水深、水中温度、魚群探知機の充電残高などの情報は、スマートフォンなどのアプリで確認できるようになっている。操縦は有線だが、ケーブルは50~70mと長めだ。Wally Zheng氏に有線の理由を問うと、「操作を無線で行うことは難しくないが、水中から画像や映像を転送するとなると、結局のところ有線でつなぐ必要がある」と答えた。
Wally Zheng氏によると、PowerRayを開発するに当たって技術的に工夫したところは、(1)ドローンが水中でバランスを取れるようにすること、(2)水深30mの水圧に耐えられるようにすること、(3)リアルタイムの画像転送と防水を両立することだった。
特に苦労したのは(1)だったそうだ。水中でバランスを崩さずにドローンを移動させるには、ドローンが水と同程度の重さにならなければならなかった。そのため、外装だけでなく回路やケーブルまで緻密に計算し、機体の計量化を図ったという。
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