特集:IoTがもたらす製造業の革新〜進化する製品、サービス、工場のかたち〜
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» 2017年05月25日 11時30分 UPDATE

JASA発IoT通信(2):目指すはロボット技術立国 ―― 移動体IoTと産業用ドローンへの取り組み (1/4)

移動体のIoT(モノのインターネット)では無線通信を前提とするため、通信遮断対策や帯域確保などさまざまな課題が生じてきた。ここにエッジコンピューティングを導入し、組込みソフトと無線通信の協調による移動体IoTを実現させる。当初はコネクテッドカーからスタートした移動体IoTであるが、昨今は同様の技術がドローンに展開され始めた。ホビー用途のドローンでも、組込みソフトが機体の姿勢制御などを操る。産業利用のドローンには、さらなる安全性と信頼性が求められる。組込みソフトと無線通信の協調が果たす役割は大きい。

[光井隆浩(東芝),EE Times Japan]

ドローンの前にコネクテッドカーがあった

 自動車におけるICTの導入が進んでいる。電子制御エンジンやカーナビゲーションは、既に当たり前の機能となった。さらに外部との通信による高度なサービスが展開されている。近未来には自動運転の普及が必然であろう。

 移動体である自動車の通信には無線が不可欠であり、高速走行時やトンネル内、山間部での通信遮断を考慮せねばならない。通信がつながっている場合と切れた場合、つながってはいるが低速通信に限定される場合など、種々のケースが考えられる。

ここでは、自動車側のエッジ処理に多くの役割が生じる。

・参考URL:http://www.skill.or.jp/activities/IoT-bukai/No.7.pdf

データの種別と緊急度合

 カーナビゲーションシステムのデータ更新やエンターテインメントコンテンツのダウンロードなど、急を要さず容量が大きいデータに高額のパケット通信は適さない。ガソリンスタンドやコンビニエンスストアの駐車場で公衆無線LANに接続できるなら、それまで情報の更新を保留したい。

 自動車の故障やタイヤの空気圧低下などが発生した時は、有料でも即時性のある通信が望まれる。常時接続だからといって要求を全て処理するのではなく、適切な場合分けが必要なのである。

 自動車と自動車の間で行われる通信(車車間通信)においても、車同士の距離が近ければ直接、1対1で無線接続できる。距離が離れていれば、セルラー網からクラウドを介した接続になる。

 これらの判断を行うのが自動車側のエッジ処理であり、ここに実装された組込みソフトである。

図1:車載エッジの例

運転者のメリット、サービス事業者のメリット

 走行ルート上の店舗情報や駐車場の満空情報など、運転者が求める情報の配信を行うサービスは以前から実現されている。これからは、ここに安全面のサービスが加わる。

 コネクテッドカーが提供するメリットは、運転者に対してだけではない。自動車のワイパーがどこでどれだけ動作しているかが分かれば、重要な気象情報になり社会的に役立つ。エンジンオイルの劣化情報、タイヤの摩耗情報などは、ロードサイドのガソリンスタンドやカー用品店が求めるものだろう。

 ガレージに駐車している自動車のトランクを遠隔で開閉し、宅配の荷物を納めるというサービス事例もある。コネクテッドカーのニーズは確実に高まっている。

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