インタビュー
» 2017年05月31日 15時30分 UPDATE

半導体商社トップインタビュー ネクスティ エレクトロニクス:合併の決断と、国内最大級半導体商社として向かう先 (1/4)

2017年4月1日、国内最大級の売り上げ規模を誇るエレクトロニクス商社「ネクスティ エレクトロニクス」が発足した。自動車向け半導体、電子部品販売に強い豊通エレクトロニクスと、民生機器向けなど幅広い用途向けに半導体デバイス販売を手掛けるトーメンエレクトロニクスが合併して誕生した。なぜ、両社は合併し、この先どこに向かうのか。ネクスティ エレクトロニクス社長の青木厚氏にインタビューした。

[竹本達哉,EE Times Japan]

2017年4月1日、豊通エレとトーメンエレが合併

 合従連衡が続き業界地図が大きく変わりつつある半導体業界。半導体を取り扱う半導体商社、エレクトロニクス商社業界にもその余波が及び、商社各社も変化を求められている。そこで、EE Times Japanでは各半導体商社の経営トップにインタビューし、今後の成長、生き残り戦略を聞く企画を進めている。

 今回は、2017年4月1日に発足したばかりのネクスティ エレクトロニクス(以下、ネクスティ)の初代社長に就任した青木厚氏のインタビューを紹介する。

 ネクスティは、豊通エレクトロニクスとトーメンエレクトロニクスという、ともに大手総合商社・豊田通商傘下のエレクトロニクス商社が合併し誕生した。その売り上げ規模は、約4600億円で、マクニカ・富士エレホールディングスを上回り、国内エレクトロニクス商社首位に相当する。さらに、約3000億円に上るという自動車向け半導体/電子部品販売規模は、世界のエレクトロニクス商社と比しても最大となった。

 国内最大級のエレクトロニクス商社は、これからどこへ向かっていくのか。合併の経緯、狙いなども交えながらインタビューした。

補完関係にあった両社の合併で技術革新に追従

EE Times Japan(以下、EETJ) ネクスティ エレクトロニクスが発足しました。あらためて、合併された理由についてお聞かせください。

青木厚氏

青木厚氏 合併した最大の理由は、半導体業界で大きな業界再編が起こっている中で、それぞれ単独で事業を行うよりも、合併して一緒になって企業としてより強くなりたいということ。

 豊通エレ、トーメンエレの両社が製品をともに扱う半導体メーカーはInfineon Technologiesなど一部で、仕入れ先に重なりがあまりなかった。そこで一緒になれば、顧客には1社で多くの品ぞろえを持つ商社としての価値を提供できるようになり、結果、仕入れ先ごとのビジネス規模も大きくできる。

 合併の理由として、技術革新スピードの速さに対応するためということもある。豊通エレの主力市場である自動車市場も、自動運転に向け人工知能であったり、画像認識であったり、無線経由でのソフトウェア更新であったり、これまでにない技術が求められている。こうした自動車にとって新しい技術は、スマートフォンなど民生領域で先行している技術で、民生と自動車がより重なるようになっている。われわれは商社として、こうした技術革新に先んじた提案をしなければならず、民生など幅広い市場で実績を積んできたトーメンエレと、自動車向けを専門にしてきた豊通エレが一緒になることで対応しやすくなる。もちろん逆に自動車関連技術も、民生やIoT(モノのインターネット)などでも求められるケースもあり、合併でシナジーを発揮できると考えた。

商社としての機能を強化する

EETJ 半導体メーカー間の合従連衡が進む中で、サプライヤーから信頼を得る商社になるにはやはりビジネス規模が重要になるのでしょうか。

青木氏 それなりの規模感は必要になると考えている。個人的には、年間100億円以上の取引規模のサプライヤーを増やしていければ、と考えている。ただ取引規模を100億円、200億円、300億円と増やしていくだけで良いというわけではなく、やはり商社としての機能を強くすることが必要になる。すなわち、顧客からパートナーとして選ばれる商社、顧客をよく理解している商社でありかつ、目に見える機能を持っていることが、サプライヤーから信頼を得るには重要だろう。

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