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» 2017年07月11日 11時30分 UPDATE

“異端児エンジニア”が仕掛けた社内改革、執念の180日(14):「部門ごとにファイル名が違う」はあり得ない! 必要なのは業務の“共通言語化”だ (2/4)

[世古雅人,EE Times Japan]

こんな「業務の棚卸し」は、今すぐやめる!

 業務プロセスのレクチャーでは、まず杉谷が、こんな話をした。

 「業務の棚卸しは、どこの企業でもよく行われます。皆さんの上司が、『みんなが行っている業務を書き出してくれ!』と、やることがあるでしょう。ですが、このような指示のもと、集まった業務が全て、部門の業務を網羅していることはほとんどありません。業務の棚卸しの失敗例を、ちょっと挙げてみましょうか」

【業務の棚卸しの失敗例】

(1)単にやっていることの箇条書き
(2)粒度が揃わない(大きな業務と小さい業務の混在)
(3)業務名称、ドキュメント/システム名称などに整合性がない
(4)部門名称ではなく、Aさんに渡すなど表現形式が統一されていない(5)複数の業務があたかも1つの業務のように表現される
(6)担当業務ごとに固有名詞がつく(Aさんの仕事、Bさんの仕事など)
(7)業務単位でない項目が挙げられる

 「出てきた棚卸しが以下のような状態では、頭を抱えてしまいますね。『みんなが何やっているか、紙に書いてみろ』とか、実際には表計算ソフトなどを使ってまとめることになるでしょうが、特に棚卸しについて指示を出さずに行うと、(1)のように、箇条書きで単に列記されるだけということが少なくありません。構造的でもないし、時系列でもない。大きな仕事も小さな仕事も混在しています。日々の仕事を思い出しながら、書き出していくと、大体箇条書きで、ただ単に“書いただけ”になることがほとんどです。本人は多少、仕事の整理ができたかもしれませんが、業務改革を行うには、これっぽっちも役に立たないのです」

どこから始める? 業務の棚卸し

 杉谷の話はまだ続く。「業務の棚卸しにはステップがあります(図2)」

図2:業務の棚卸しのステップ

 「(1)の業務の洗出しは、会社や組織としてやるべきことが明文化されている組織規定や業務分掌から拾い出していくことが鉄則です。つまり、個々人がやっていることを足し算的に積み上げるのではなく、本来やるべきこととの差異を明確にしていくことで、やるべきことができていない、やるべきことをやっていないと考えるべきです。言い換えれば、部門組織として有しているべき機能定義が組織規定や業務分掌であって、業務の1つ1つはこれらの構成要素として考えます」

 杉谷は、こう続けた。

 「須藤さんたち皆さんがイメージされるのは、最初に各自の業務を洗い出して、それらを1つにまとめて業務の一覧表にしてみる、という感じではないですか? この場合、図2中の(2)と(3)のステップがきちんと含まれている時と、そうでない時(忘れているか、やっていないか)があります。実はこの2つのステップに一番手間がかかるのですが、最も重要なステップでもあるのです」

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