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上司の帰宅は最強の「残業低減策」だ 〜「働き方改革」に悩む現場から世界を「数字」で回してみよう(41) 働き方改革(1)(5/11 ページ)

» 2017年07月13日 11時30分 公開
[江端智一EE Times Japan]

後半の6項目

6.女性・若者人材育成

 育児によって、実際のところ女性のキャリアがどうなっているのかは、まだ私は調査できておりませんが、「育児離職による、職場からの長期間の分離」が、本人にとって「どれほどの恐怖につながっているか」は、直感的に理解できます。

 なにしろ、私たちは、法律と会社によって権利として認められている年休制度の利用すら抵抗があるくらいです。例えば、私たちが年休を取る時には、メールに「年休を取ります」ではなく、「ご迷惑をおかけしますが、年休を頂きたく、何とぞよろしくお願い申し上げます」と記載しています。

7.病気と労働

 この「病気と労働」の話とは少しずれるのですが、いわゆる「ブラック企業」には、社員を病気にさせて、退職に仕向けるというビジネスモデルがあると聞いています。

 「ブラック企業」に対する批判は、枚挙にいとまがありませんが、人材を育成しないで、使い捨てをするという ―― それが、非人道的でインモラルであったとしても ―― このような会社運営に対する真面目なビジネスモデル(数字付き)の検証レポートなどを、私はまだ読んだことがありません。

 多分、これからも、この研究結果が出てくることは期待できないでしょう。この研究、どう考えても「俺がやらなきゃ、誰がやる → 誰もやりたがらないだろう」という性質のものだと思いますので、私が取り組んでみたいと考えています。

8.子育て、介護、障害者就労

 以前、私は、子どもの値段(経費)を計算したことがあります*)が、まだ、人間(子ども、老人、男女、障害者)を、資産(アセット)として計算したことはありません。

*)参考記事(Business Journalに遷移します)

 「人間の価値は?」と問われれば、私たちは脊髄反射的に「全ての人間が平等である」「人間の価値に差などはない」と答えなければならないように、仕込まれています。そして、それで良いのです。

 しかし、私は、「人間の価値」ではなく、「人間のコスト(資産価値(メンテナンスも含めて)」の算出に挑戦してみようと考えています(世間の批判を思いっきり浴びるとは思いますが)。

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