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» 2017年07月31日 11時30分 UPDATE

IHSアナリスト「未来展望」(4):5G、IoTで変わる半導体・デバイス (2/2)

[大庭光恵(IHS Markit Technology),EE Times Japan]
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プラットフォーム志向

 アプリケーションは多様なため、機器やデバイスにはプラットフォーム志向が強くなると筆者は考えている。既にいろいろなもののIoT化に対するシステムインテグレーションやサービスを提供している企業やそのスキームを見るといくつかの傾向がみられる。

  1. 多様なアプリケーションに対する「引出し」
  2. キャリア(MVNOを含む)との連携
  3. サービスモデル

 筆者がIoTのモデルケースとしてこれまで話を聞いた企業の多くでは、IoT化、スマート化に対して独自の技術(ソフトウエア、ハードウエア、その他)を持ち、それらを「引出し」=プラットフォームとして複数のアプリケーションに提供している。また、ビジネスモデルを確立するにあたっては、SIMをおさえているキャリアとの連携が多くみられる。これは今後5Gが実現されるにあたっては非常に重要と考えられる。

 5G実現には段階的にはなるものの数兆円といったインフラ投資が必要といわれているが、投資を行うキャリアにとって回収のためのビジネスモデルが不可欠なため、エンドユーザーに近く需要創出のポテンシャルがあるインテグレーター、プラットフォーマー、キャリアと機器メーカーとのつながりは今後5G、IoTのビジネスモデルを構築するにあたって切っても切れない関係になることが予想される。

 また、この方向性はキャリアやサービス、インテグレーターだけでなく、ハードウェアにおいても進む可能性が既にみられている。市場拡大が期待されているLPWA(Low Power Wide Area)の機器などは多様なアプリケーションで活用されるため、市場のロングテール化が見込まれるが(図3)、個別のアプローチではしらみつぶしで効率の悪い対応になることが懸念される。実際、M2Mモジュール、機器のいずれにおいても積極的に事業展開をしている企業ではキャリアやプラットフォーマーとの連携が多くみられる。

図3:LPWA接続収入アプリケーション別市場規模(千米ドル) (クリックで拡大) 出典:IHS Markit Technology

 今後、スマート工場、スマート農業、スマートxxといったIoTのアプリケーション拡大が見込まれる一方で、モジュールやデバイス、機器がどのように関与するかという点においても、キャリアやプラットフォーマーとともにどのようなビジネスを展開するかが5G、IoTのビジネスにおけるキーサクセスファクターになると考えられる。

大庭 光恵(おおば・みつえ)氏/IHS Markit Technology

 1999年〜ドイツ証券、クレディ・リヨネ証券で産業用エレクトロニクス担当アナリストを担当。その後アセットマネジメント会社にて電子機器、部品、材料、ITサービスのアナリスト/ファンドマネージャーを担当。

 2012年〜現職、≪IHS Markit Technologyのシニアアナリストとして、市場分析/ビジネス分析を手掛ける。


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