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» 2017年08月08日 11時30分 UPDATE

規格策定の完了は急務:5Gはミリ波のパラダイムシフトになる

5G(第5世代移動通信)では、ミリ波帯の活用が鍵になる。ミリ波対応チップを開発する米Anokiwaveは、5Gは、ミリ波通信技術が民生機器に適用されるという点で、パラダイムシフトだと語る。

[Rick Merritt,EE Times]

規格策定の完了が急務に

 多くのエンジニアが5G(第5世代移動通信)向けのミリ波通信について、早く詳細が決定するよう切望している。こうした中、ミリ波ソリューションをミリ波ソリューションを手掛ける米国のAnokiwaveで技術フェローを務めるIan Gresham氏は、「当局は、5Gの実現に向けて早急にガイダンスを策定すべきだ」と声を上げた。

 同氏は、「特にエンジニアは、チャンネル割り当てや、帯域外スプリアス発射、チャンネル帯域幅などが、規格によってどう制約されるのかを把握する必要がある」と述べる。

AnokiwaveのIan Gresham氏

 同分野で30年の経験を持つGresham氏は、「制限が厳しければ、できることが限定される可能性もある。そのため、詳細な規格策定が重要であり、5G展開の妨げにならないように短期間で行わなければならない」としている。同氏は、「どのような制限が妥当であるかについて、FCC(米国連邦通信委員会)などと議論や提案を進めている。規則の策定に向けて、オープンな議論を進めていく」と述べている。

 現時点では、規格はチップの設計には大きく影響しないかもしれない。Gresham氏は、「むしろ基板の設計の決定に影響を与える可能性が高い」と述べている。「顧客に貢献するためには、いつまでに規格が策定されるべきか」という質問に対し、同氏は「早過ぎるということはない」と答えた。

 米大手キャリアのVerizonは、2017年後半にもミリ波帯の固定無線アクセスを展開すると発表している。ライバルのAT&Tも、同様のサービスに関心を示しているという。韓国の通信事業者は、2018年2月上旬に始まる冬季五輪に向けて、ミリ波帯通信を含む5Gサービスのデモを実施する計画だ。

 Anokiwaveは、2016年に28GHz帯に対応した通信チップを、そして2017年には39GHz帯に対応したチップを発表した。

 Gresham氏は、「当社は既に、より性能が高く機能の豊富な第3世代のチップの設計に着手している。当社の64素子アレイは、顧客が短時間でプロトタイプを開発できるプラットフォームとなっている」と述べている。

ミリ波技術がメインストリームに

画像はイメージです

 ミリ波向け規格の策定が完了すれば、かつては特殊な分野の高額なレーダーシステムに限定されていた技術をメインストリームにもたらすための大きな一歩になる。

 Gresham氏は、「ミリ波通信は、爆発的な成長を遂げようとしている。携帯電話業界は当初、5GHz帯以下のマイクロ波技術の確立と幅広い利用のための変曲点にあった」と述べている。同氏は、「5Gは、60GHz帯を使用するWiGigや80GHz帯を使用する車載レーダーなどとともに、技術的なパラダイムシフトをもたらす。ミリ波通信技術が、スマートフォンなどの民生機器で使用できるようになるのだ」と続けた。

 短距離かつ低消費電力の通信システムの構築には、65nmのCMOSプロセスを適用したチップで十分だ。WiGig向けには、BiCMOSのSiGe(シリコンゲルマニウム)チップが10米ドル以下で販売されている。Gresham氏は、「最先端のプロセスは必ずしも必要ではない。用途によっては、むしろ過剰になる」と述べている。

【翻訳:滝本麻貴、編集:EE Times Japan】

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