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» 2017年08月16日 13時30分 UPDATE

Flash Memory Summit 2017:NANDフラッシュ、開発の視点はチップからソフトへ (2/2)

[Rick Merritt,EE Times]
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フラッシュストレージシステム向けソフトは効率化が必要

 ほぼ全ての大手ベンダーが、自社データセンターのレイテンシ(遅延時間)を減らすため、フラッシュストレージシステム向けのソフトウェアを効率化する必要があると主張した。

 イベントに参加していたeBayのITマネジャーによると、フラッシュストレージを採用する上での最大の問題は、「Open Stack」や「Kubernetes」など、データセンターのタスクスケジューラーとして用いるオープンソースのプログラムに関連したものだという。現時点では、そうしたプログラムは、複数のアプリケーションにわたるHDDやフラッシュストレージのプールを共有する形で調整されていない。

 eBayの主席ストレージアーキテクトであるManoj Wadekar氏は、「優れたデバイスは既にある。次に必要なのは、それを活用するためのインフラだ」と述べた。

 一方、Webデータセンターでは、低コストのシングルポートのSSDを用いる傾向があるにもかかわらず、ベンダーはデュアルポートのSDDを強化している。Wadekar氏は「性能は、大容量のアプリケーションよりも急速に向上している」と述べた。

「データセンターで使われるフラッシュストレージにおいて、遅延の主な要因となるのはシステムソフトウェアだ」と、Western Digital(ウエスタンデジタル)は説明する(クリックで拡大)

ストレージソフトウェアへの新しいアプローチ

 Samsungは、ストレージソフトウェアへの全く新しいアプローチを提案している。それは、独立したブロックベースのシステムとファイルベースのシステムの間に以前から存在する違いをなくすものだという。このアプローチはいわゆる「キー・バリュー(key-value)型」であり、レイテンシの削減を実現するものだ。だが、そのために既存のアプリケーションを書き換えるには何年もかかる可能性があり、Samsungもそのことを認めている。

 東芝のストレージ製品部門でゼネラルマネジャーを務めるSteve Fingerhut氏は、短いインタビューの中で、「既存のアプリケーションを書き換える試みは過去にも行われてきた。(中略)現在、世界は高性能のブロックベースのソフトウェアと、低性能のオブジェクトベースのソフトウェアに二分されている。将来的には1つに統合されるかもしれないが、数年はかかるだろう」と語った。

 一方、Micronは、研究段階にあるソフトウェアについて発表した。このソフトウェアは、データセンターのフラッシュシステムの性能を大幅に高めながら、消費電力を低減するものだという。同社のSSDエンジニアリング部門でバイスプレジデントを務めるCurrie Munce氏は「このソフトウェアは将来的に、当社に実りをもたらす領域となる」と述べた。

 Western Digital(ウエスタンデジタル)のCTOであるMartin Fink氏によると、データセンターのフラッシュストレージで発生するレイテンシの大部分は、チップに起因するものではなく、システムレベルのソフトウェアの複雑なスタックによるものだという。同氏は「そのため、当社はより多くの時間をかけて、ハードウェアとソフトウェアの適切な組み合わせを見つけようとしている」と述べた。

 一方、次世代SSDの接続規格である「NVM Express(NVMe)」の策定団体は、PCI Express(PCIe)、Ethernet、Fibre Channelなどのインタフェース上で作動するプロトコルの新たな性能を発表した。新たなプレイヤーは、そのようなネットワークを簡素化するための新たな方法の発見に取り組んでいる。

「NVM Express(NVMe)」のロードマップ(クリックで拡大)

新しいフォームファクタ

 チップとソフトウェア以外では、データセンターにある小型のラックマウントシステムに、できるだけ多くのフラッシュメモリを搭載できるようにSSDを最適化しようとしている。

 Samsungは、「M.3」のフォームファクタを披露した。外形寸法は30.5×110.0×4.38mmである。「M.2」よりも幅が広く、3D NANDフラッシュを使って最大16Tバイトまで搭載でき、5億IOPS(Input/Output Per Second)までサポートするという。

 Intelは、1Uサイズの「Ruler」フォームファクタを公開した。PCIe 3だけでなく、今後2世代のPCIeまでサポートできるとしている。

Intelの「Ruler」

【翻訳:青山麻由子、滝本麻貴、編集:EE Times Japan】

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