KAIST(Korea Advanced Institute of Science and Technology)が、日常的な着用に耐える柔軟な有機ELディスプレイの実現を目指し、2mmの曲げ半径でも高い輝度と効率を示すファブリックベースの有機ELを開発した。
日常的に着用できるほど柔軟な有機ELディスプレイを作製する技術を、KAIST(Korea Advanced Institute of Science and Technology)が2017年8月24日(韓国時間)に発表した。同技術を活用したウェアラブルデバイスでは、2mmの曲げ半径でも有機ELが機能するという。
近年、シリコーンベースのLEDジャケット、シャツ、ステージコスチュームが開発されるている。だが、無機半導体は剛性が高く、日常的な着用には不向きだ。そのため、KAISTの研究チームは、有機ELを利用した薄く柔軟なウェアラブルディスプレイを作製する手法の研究を進めてきた。
よくある衣類用の布地は、数百マイクロメートルスケールのバンプのある凹凸の表面形状を持つ。このような粗い表面は、有機ELの形成には適さない。しかし、研究チームは2015年、薄く平らなシートを布地に熱でラミネート加工し、厚さ約200nmの有機ELに適合する表面形状を形成することに成功した。
さらに2016年には、層を均一に蒸着できるディップコーティング法を導入し、薄い布上でも高輝度を示す高分子LEDを開発。その結果、布の柔軟性を維持しつつも高い輝度と効率を示すファブリックベースの有機ELを実現した。
試験を実施したところ、2mmの曲げ半径でも有機ELが機能し、PET(ポリエチレンテレフタレート)ベースの有機ELよりも曲げに強いことが分かった。
有機ELは水蒸気や酸素に敏感なので、研究チームは有機および無機カプセル化技術も自社開発し、開発したファブリックベースの有機ELを長期間動作させることを可能にした。研究チームリーダーのSeungyeop Choi氏は、「ディスプレイが付いた普段着は、もはや未来の技術ではない」という。
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