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» 2017年09月22日 13時01分 公開

東京大学 古澤明教授ら:究極の大規模汎用量子コンピュータ実現法を発明 (2/2)

[竹本達哉,EE Times Japan]
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1つの量子テレポーテーション回路を繰り返し利用

 今回、古澤氏と武田氏が発明したのは、従来のように量子テレポーテーション回路を空間的に並べるのではなく、時間的に一列に並べた光パルスを1ブロックの量子テレポーテーション回路で処理するもの。光ファイバーなどで光パルスを周回させるループを構成し、1つの量子テレポーテーション回路の機能を「ある時は乗算、ある時は除算」というように都度切り替えて、所望の処理を行うという方式である。

従来の方式(図中下)と発明した方式(図中上)の比較 出典:東京大学

 古澤氏は「アナログコンピュータに例えれば、量子テレポーテーション回路がオペアンプに相当する。アナログコンピュータはオペアンプの周辺回路を変えてさまざまな演算を行ったように、量子テレポーテーション回路の周辺をアドフォックに切り替えて処理を行うもの」と説明する。

 この方式であれば、1個の量子テレポーテーション回路とループ構造だけで構成でき、最小限の光学部品だけで済む上、光パルスをループで周回させ続ければ、回数無制限で使用でき、どれほど大規模な計算でも実行できることになる。古澤氏は「100万個以上の量子ビットを何ステップも処理するような大規模な量子計算が実行できる」とする。

汎用量子コンピュータ実現へ、課題は誤り訂正のみに

今回の発明について説明を行う東京大学工学系研究科教授の古澤明氏

 古澤氏は「今回の発明によって、量子コンピュータ実現の課題は、誤り訂正をどのように実現するかに絞られ、われわれは誤り訂正の問題に集中できるようになった」とする。汎用の光量子コンピュータの実現時期については「トランジスタ発明前に、コンピュータはいつ実現できるのかを問われているようなものであり、全く分からない」とした上で、「量子コンピュータ実現まであと20年ほどとすれば、今回の発明で5年ほど縮んで15年になったのではと思う」と今回の成果を評価した。

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