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» 2017年09月26日 10時30分 公開

フロントガラスや窓に設置可能:透明で曲がる太陽電池、東北大が開発 (1/2)

自動車のフロントガラスやビルの窓に設置できる太陽電池。東北大学の研究グループは、光透過率が90%を超える透明な二次元シート材料を用いた太陽電池を開発した。

[馬本隆綱,EE Times Japan]

二次元シート材料「遷移金属ダイカルコゲナイド」を使用

 東北大学大学院工学研究科電子工学専攻の加藤俊顕准教授、同大学院生の赤間俊紀氏と大北若菜氏および、金子俊郎教授らの研究グループは2017年9月、二次元シート材料の「遷移金属ダイカルコゲナイド(TMD)」を用い、透明でフレキシブルな太陽電池の開発に成功したと発表した。大面積にも対応できるため、自動車のフロントガラスやビルの窓などに設置することが可能となる。

 加藤氏らの研究グループは今回、実用レベルのデバイス作製を目指し、原子オーダーの厚みを持つTMDを用いつつ、より簡便で大面積にも対応できる製造プロセスの開発に取り組んだ。この中で注目したのがショットキー型太陽電池である。電極とTMDとの間で自発的に形成される電位構造を利用したシンプルな構造で、電極の種類と形状を最適化することで効率よく発電を行うことができるという。

TMDを用いて開発した透明フレキシブル太陽電池 出典:東北大学
グラフェンとTMDの主な構造と特性比較 出典:東北大学

 デバイス作製に当たって、最初にショットキー形成に最適な電極種を選定した。一般的に電極は同種の金属を用いるが、今回はTMDの両端に設ける電極の種類を変えた異種金属電極構造とした。両端電極対の組み合わせを変えて特性を評価した。この結果、両端電極の仕事関数差(ΔWF)が大きくなるほど、発電効率(PCE)は向上することが分かった。

左はデバイスの構造イメージ、右上は電極として用いた金属材料の仕事関数実測値、右下は規格化した発電効率のΔWF依存性 出典:東北大学
左はデバイス構造の違いによるTMD太陽電池の発電効率とΔWF、右は最適化したデバイス構造の代表的な電流−電圧特性 出典:東北大学

 電極の間隔とTMDの配置方法についても検討した。電極間隔が2μm以下で、TMDを基板に接触させない架橋型とすれば、最大0.7%(AM1.5G照射)の発電効率になることが分かった。この数値は同等(3層以下)の厚みを持つTMD太陽電池としては、最高レベルの発電効率だという。

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