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光ケーブルでの採用拡大狙うコイル一体型電源ICInterOpto展 トレックス

トレックス・セミコンダクターは2017年10月6日まで開催されている展示会「InterOpto(インターオプト)」で光トランシーバーケーブル向けに提案を強化しているインダクター一体型電源IC製品の展示を実施している。

» 2017年10月06日 15時30分 公開
[竹本達哉EE Times Japan]

低ノイズ、小型などの特長を生かして

 トレックス・セミコンダクターは2017年10月4〜6日に開催されているフォトニクス技術関連展示会「InterOpto(インターオプト)」(会場:幕張メッセ/CEATEC JAPAN 2017併催)で、光トランシーバーケーブル用途で採用が拡大しているインダクター一体型電源IC「“microDC/DC”コンバーター/XCLシリーズ」(以下、microDC/DC)を採用事例とともに展示した。

 microDC/DCは、インダクターと電源ICを一体化することで、電源回路のサイズを小型化し、ノイズを低減できるなどの特長を持つ。microDC/DCには、構造別に3タイプがある。電源ICチップ上にインダクターを載せ、パッケージ封止したスタックタイプ、電源ICチップとインダクターを並べてパッケージ封止したマルチプルタイプ、パッケージに封止した電源ICにポケットコイルと呼ぶ凹型形状のインダクターをかぶせたポケットタイプの3タイプだ。

ポケットタイプの“microDC/DC”コンバーターの構造を説明する模型。パッケージに封止された電源ICに、「ポケットコイル」と呼ぶ凹型形状のインダクターをかぶせる独自構造。ポケットコイルが、スイッチングノイズを発する電源ICをシールドするため、低ノイズ化が図れる他、コイルも基板と直接、接続されるため放熱性にも優れるといった利点がある (クリックで拡大)
コイル一体型電源IC「“microDC/DC”コンバーター/XCLシリーズ」の説明動画 出典:トレックス・セミコンダクター

 トレックスでは「microDC/DCはモバイル機器や産業機器などさまざまな用途で採用が拡大している。光トランシーバーケーブル向けでも好調で、国内外複数のケーブルメーカーに採用されている」という。加えて「光トランシーバーケーブルは、特に低ノイズ要求が強く、3タイプあるmicroDC/DCの中でも、最もノイズが小さいポケットタイプが好まれる傾向が強い」(同社)

 InterOpto トレックスブースでは、microDC/DCをはじめとした光トランシーバーケーブル向け電源IC製品と、実際にmicroDC/DCを搭載する光トランシーバーケーブル(SFP+、QFSP+)を展示した。「インダクター一体型電源ICとして世界初の負電力出力品」というポケットタイプmicroDC/DC「XCL301シリーズ」(サンプル出荷中)も、初めて披露された。「負電力出力の電源は、光トランシーバーケーブルに不可欠。以前からケーブルメーカーから負電力出力タイプのmicroDC/DCが欲しいとの声が多く、そうしたニーズに応えた製品であり、来場者からの評判も上々」(担当者)とした。

“microDC/DC”コンバーターやトレックス製電源ICと、光トランシーバーケーブルの展示 (クリックで拡大)

Thunderbolt IIIやUSB Type-Cなどのアクティブケーブルにも

 この他、トレックスブースでは、microDC/DCの採用事例として、Thunderbolt IIIアクティブケーブルを展示。トレックスでは「光トランシーバーケーブルやThunderboltやUSB Type-Cなどのアクティブケーブルは、小さなコネクターヘッド内に多くの部品を搭載する必要があり、特に小型化と低ノイズ化が求められる領域であり、microDC/DCの特長が発揮しやすい。今後も採用拡大が望める」と期待を寄せている。

microDC/DCはThunderbolt IIIアクティブケーブルのリファレンスデザインにも採用されている (クリックで拡大)

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