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中国でファウンドリー事業が加速TSMCも工場を建設

TSMCなど大手専業ファウンドリーが、中国に製造工場を建設し始めている。中国のファウンドリーの売上高成長率は、世界のファウンドリーの売上高成長率に比べて2倍以上になる見込みだ。

» 2017年10月26日 10時30分 公開
[Dylan McGrathEE Times]

大手専業ファウンドリーが中国に工場を建設

 中国のファブレス半導体企業の動きが加速している。米国の市場調査会社であるIC Insightsによると、中国の専業半導体ファウンドリーの世界売上高に占める割合は、2016年の12%から2017年は13%に増加する見通しだという。

 IC Insightsは、「2017年の中国の専業ファウンドリーの売上高は、2016年から16%増となる70億米ドルに達すると予想される。売上高の成長率は、世界の専業半導体ファウンドリーの2倍以上となる見込みだ」と述べている。

 TSMCの売上高は、2016年比で10%増となる約32億米ドルで、中国の専業ファウンドリーの売上高の約46%を占めると予測される。

 IC Insightsによると、TSMCやGLOBALFOUNDRIES、UMC、Powerchip、イスラエルのTowerJazzなど、ほとんどの専業ファウンドリーは、今後数年の間に中国本土でICの生産拠点の設置や拡張を計画していて、そのほとんどが2017年末から2018年にかけて生産を開始する計画だという。

 中国は国内の半導体生産の拡大を推し進めていて、今後10年間で1600億米ドル以上の投資が計画されている。しかし、IC Insightsは、「中国企業にとって、最先端の製造技術を適用することはより難しい状況になっている」と指摘している。

 「このため、多くの中国の半導体企業や政府機関が、最先端の製造技術の獲得に向けて、ファウンドリー企業と合弁事業を設立したりパートナーシップを構築したりしている。パートナーシップによって、中国の半導体企業は最先端の製造技術を適用した生産能力を手に入れ、ファウンドリーは中国国内での市場プレゼンスと安定した収益源を獲得できる」とIC Insightsは述べている。

半導体専業ファウンドリーの中国での売上高(単位:米ドル)
専業ファウンドリー 2016年 中国でのシェア 2017年
(予測値)
中国でのシェア
TSMC 26億5500万 44% 31億7000万 46%
SMIC 14億8500万 25% 14億5500万 21%
UMC 4億9000万 8% 6億3500万 9%
GLOBALFOUNDRIES 3億9000万 6% 4億7500万 7%
Hua Hong Semi 3億7500万 6% 4億5500万 7%
Shanghai Huali 1億9500万 3% 2億3500万 3%
XMC 8500万 1% 1億1500万 2%
その他 3億3500万 6% 4億1000万 6%
合計 60億1000万 100% 69億5000万 100%
出典:IC Insights

 IC Insightsは、こうしたパートナーシップの例として次のような事例を挙げている。

 例えば、UMCは、同社が開発した32nmプロセス技術を適用してDRAMを製造するために、中国の半導体企業であるFujian Jin Huaと提携して300mmウエハー製造ラインを備えた工場を建設した。

 また、GLOBALFOUNDRIESは、2017年第1四半期に中国の成都と提携。300mmウエハー製造工場を建設して、主流となっている130nmおよび180nmプロセスを使用したチップの製造を2018年初頭に開始する計画である。

 TSMCは、中国の南京に30億米ドル規模のファウンドリーを全額自社負担で建設し、2018年下半期に16nmプロセス技術を適用したチップの製造を開始する。

 その他、TowerJazzは、Tacoma Semiconductorと南京に200mmウエハー製造工場を建設する契約を結んだ。

【翻訳:滝本麻貴、編集:EE Times Japan】

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