パイオニアは「第45回東京モーターショー 2017」で、光源にRGB(赤、緑、青)レーザーを用いる次世代の車載ヘッドアップディスプレイ(HUD)デモを披露した。8m以上先の空間に約52型の像を投影し、広色域で高い視認性を持つためドライバーへのAR(拡張現実)提供に最適だという。
パイオニアは「第45回東京モーターショー 2017」(2017年10月28日~11月5日、東京ビッグサイト)で、光源にレーザーを用いるフロントガラス投影式の次世代車載用ヘッドアップディスプレイ(HUD)のデモを披露している。虚像の大型化および虚像とドライバー間の投影距離を広げることで、ドライバーにとって負担となる視線移動を減らすことができ、より充実したAR(拡張現実)を提供することも可能だという。
光源にRGB(赤、緑、青)レーザーを用いるレーザースキャンHUDは、一般的なメリットとして
ことが挙げられる。今回の展示ではこれらの特徴に加え、約52型となる虚像面積と虚像とドライバー間の投影距離が8mと拡大したことをアピールする。
パイオニアは2010年よりレーザースキャンHUDを開発しており、2012年に世界初のARに対応したコンバイナー式HUDをアフターマーケット向けに発売。続いて、2013年からフロントガラス投影式の開発に着手し、現在までスペックルノイズの低減や解像度の向上に取り組んできたという。今回の展示品は、2014年のサンプル品に比べて大幅な画質の向上を達成しており、「今までのレーザースキャンHUDの中で画質が一番きれいだと評価を受けることもある」(同社説明員)とする。
レーザースキャンHUDのキーデバイスであるRGBレーザー光源モジュール、MEMSミラー、ASICは自社グループで開発され、パイオニアが得意としてきた光ディスク技術、画像処理技術が活用されているという。これら部品が組み合わされたプロジェクターモジュールは、車載に耐えうる動作温度範囲やフロントガラスに応じたひずみ補正などを行える画像処理機能を持つという。
今後、車載HUDに求められるトレンドに、さらなる虚像の大型化や虚像とドライバー間の距離拡大があるとして、実現に向けて開発を進めていくとする。
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