ニュース
» 2017年11月10日 11時30分 公開

AMD GPU搭載のCoreプロセッサで:“打倒NVIDIA”に向け動き出したIntelとAMD (2/2)

[Dylan McGrath,EE Times]
前のページへ 1|2       

“歴史的コラボ”、後押ししたのはApple?

Tirias ResearchのKevin Krewell氏

 Tiriasで主席アナリストを務めるKevin Krewell氏は、今回の動きを“historic collaboration(歴史的なコラボレーション)”と表現しながら、この提携を仲立ちしたのはAppleではないかと推察した。Appleが、このグラフィックスチップを「MacBook」に採用することをもくろんでいるのではないかというのである。

 Krewell氏は「Intelはこれまで、AMDのRadeonやNVIDIAの『GeForce』ほど高性能のグラフィックスチップを提供できなかった。一方でAMDは、Appleのお気に入りのグラフィックスチップサプライヤーであり、IntelのCPUとAMDのGPUが1つのパッケージになれば、Appleにとってかなり望ましい状況といえるだろう」と述べた。

AMD「Ryzen Mobile」との関係は

 AMDはIntelに攻勢をかけるため、ノートPC向け新型APU(Accelerated Processing Unit)「Ryzen Mobile」を近く発売する計画だが、Intelのマルチチップソリューションには、HBM2Mメモリとディスクリートグラフィックスチップが搭載されており、Ryzen Mobileより高い性能を備えているという。

 Krewell氏は「安いものにはならないだろうが、Intel CoreにRadeon Graphicsモジュールが統合されれば、薄型ノートPCでも高品質のグラフィックス性能を実現できるようになる」と述べた上で、「AMDのRyzen Mobileチップが大成功したとしても、Intelは最大の市場シェアを維持し続けるだろう」と分析した。

 Krewell氏は「このSiP(System in Package)については、さらに詳細を知る必要がある。現時点では処理速度なども全然分かっていない。とはいえ、これが歴史的なコラボレーションであることは明らかだ」と述べた。

IC InsightsのRob Lineback氏

 IC InsightsのLineback氏は、AMDがマルチチップソリューションでIntelと提携することにより、Ryzen Mobileの市場競争力が脅かされることにならないかと考えている。

 Lineback氏は「ノートPCには複数のセグメントがあり、それぞれの違いがはっきりしていない。今後、Intel CoreモバイルプロセッサがAMDのセミカスタムGPUと合わせて提供されるようになれば、次世代のRyzen Mobileとの競争が終わる可能性がある。x86プロセッサ分野で長年競合してきた2社が提携することで、それぞれにどのような効果がもたらされるのかについては、今は静観するしかないだろう」と述べた。

 McGregor氏は、IntelがNVIDIAに対抗するためにAMDとの提携を選択したのではないかと考えている。AMDは、グラフィックス関連の事業をRadeon Technologies Groupとして分社化していて、Intelは、それを「AMDは公正な競争をしようとしている」と捉えているようだ。

Tirias ResearchのJim McGregor氏

 McGregor氏は「いずれにせよ、過去にも目にしてきたように、風は常に物事を反対方向に運ぶものだ。Intelは、AMDとの提携にベストを尽くすかもしれないが、そのような事が常に簡単にいくはずはない」と述べた。

 IntelのWalker氏は、今回発表されたマルチチップソリューションがEMIBを用いた初めての製品であるだけでなく、HBM2を用いた初めてのモバイルPC向け製品でもあると述べた。同製品は、専用のグラフィックスメモリを用いた従来型のディスクリートなグラフィックスベースのデザインに比べ、消費電力が軽減される他、小型化されるという。

【翻訳:青山麻由子、滝本麻貴、編集:EE Times Japan】

原文へのリンク

前のページへ 1|2       

Copyright© 2017 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

RSSフィード

All material on this site Copyright © 2005 - 2017 ITmedia Inc. All rights reserved.
This site contains articles under license from UBM Electronics, a division of United Business Media LLC.