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» 2017年11月15日 09時30分 公開

2018年2月開催:ISSCC 2018 日本の採択数13件で中国を下回る (2/2)

[馬本隆綱,EE Times Japan]
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機械学習向けチップに関する論文などが増加

 続いて、トピックス別に注目論文を紹介した。その1つが機械学習向けチップに関するもので、採択論文が11件、招待講演が1件の合計12件が発表される。採択論文の中で5件がアジア地域からの論文で、北米地域からは6件。特に、バイナリDNNチップに関する論文が6件採択された。また、北海道大学などの研究チームからは、対数量子化DNNチップや磁界結合3次元積層を用いたDNNチップの研究成果(講演番号は13.2)も初めて発表される。

左は機械学習向けチップに関する論文の技術的特長、右は機械学習向けチップの技術トレンド (クリックで拡大) 出典:ISSCC 2018

 2つ目のセキュリティ関連では7件の論文が発表される。暗号処理プロセッサや暗号用新機能のPUF(Physical Unclonable Function)など、IoT(モノのインターネット)セキュリティへの応用を視野に入れているという。神戸大学他(講演番号は21.5)、MIT大学(講演番号は2.5)、Intel(講演番号は2.7)、Sungkyunkwan大学(講演番号は7.8)、eMemory(講演番号は7.7)などが発表する。

 3つ目の車載半導体関連では、次世代モビリティ社会に向けた新しい半導体集積回路技術が登場する。コネクテッドカーに向けたワイヤレス通信技術、自動運転を可能にするための機械学習チップ、ライダー用SoC(東芝、講演番号は5.7)や3D積層TOFセンサー(Delft工科大/EPFL/TSMC、講演番号は5.9)などセンサーフュージョン技術、入力電圧変動に対応した電源回路技術(Pavia大学/STMicro、講演番号は27.3)などの論文が発表される。

 日本勢が最も強みを持つのがイメージセンサーの分野である。10件の採択論文数の中で、5件が日本論文である。モバイル機器に加え、車載システム、セキュリティ、8K映像、VR(仮想現実)/AR(拡張現実)など、用途が拡大する。最新の3D積層チップやグローバルシャッター(GS)CMOSイメージセンサー技術について発表される。日本勢ではソニー(講演番号は5.1と5.4)、パナソニック(講演番号は5.2)、NHK/静岡大学/Brookman(講演番号は5.6)が採択された。

イメージセンサーの発表論文。左は画像/映像用、右は測距センサー/APD応用の論文 (クリックで拡大) 出典:ISSCC 2018

 会見では、日本からの注目論文として、2件を紹介した。1つは東芝のIEEE 802.11axに対応するアクセスポイント向けSoCである(講演番号は28.1)。1024QAMに対応し、周波数依存IQ誤差キャリブレーション技術、オンチップ干渉認識機能などを搭載している。

 もう1つは、東京工業大学が発表する3件のワイヤレス向け回路技術である。5G(第5世代移動通信)向けに伝送速度120Gビット/秒を実現したミリ波トランシーバー技術(講演番号は9.6)や、IoT機器向けに電力消費が極めて小さいオールデジタルPLL技術(講演番号は15.1)と、BLE(Bluetooth Low Energy)用トランシーバー技術(講演番号は28.2)を発表することになっている。

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