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電池駆動の電子レンジを実現するRFデバイス提案基地局用RFパワーGaNも展示

NXP Semiconductorsは、「マイクロウェーブ展 2017」で、同社のRFモジュールを用いた電池駆動式電子レンジの提案を実施した。

» 2017年12月04日 13時30分 公開
[馬本隆綱EE Times Japan]

マグネトロンを用いない電池駆動式電子レンジ

 NXP Semiconductorsは、「マイクロウェーブ展 2017」(2017年11月29日〜12月1日、パシフィコ横浜)において、マグネトロンを用いない電池駆動式電子レンジ向けRFパワートランジスタやモジュール、評価用ボックスも参考展示した。また、携帯基地局向けRFパワーソリューションの展示も行った。

 同社ブースで多くの来場者の注目を集めた展示が、電池駆動式電子レンジを実現するための評価用ボックスや、これに搭載しているモジュール、デバイス製品などである。現行の電子レンジは、マグネトロンと呼ばれる電子管でマイクロ波を発振し、これで食品などを加熱している。マグネトロンに相当する部分を、NXP製RFパワートランジスタやドライバICを実装したRFモジュールに置き換える。

電池駆動式電子レンジを実現するための評価用ボックスや搭載したモジュールなどを展示

 「マグネトロンをRFモジュールに置換することで、安定した周波数を出力でき、パワーの制御が容易となる。部品自体も長寿命である。位相を制御することで庫内における選択加熱やスポット加熱が可能となる」(説明員)と話す。しかも、電池駆動が可能なため、災害時や屋外での利用が容易である。

 評価用ボックスには、合計600W出力のRFモジュールと、それに対応するRFアンテナなどが組み込まれており、システム評価を迅速に行うことができるという。

5G NRで需要拡大

 また、NXP Semiconductorsブースでは、携帯電話基地局向けRFデバイスの展示も展開した。

 同社は、基地局向け高出力RFパワートランジスター市場で極めて高いシェアを獲得している。技術革新でも、常に先導的役割を果たしてきた。従来のシリコンLDMOS(横方向拡散MOS)製品に加え、窒化ガリウム(GaN)ベースの製品開発で先行する。特に、5G(第5世代移動通信)NR(New Radio)の登場により、今後は高出力で効率の良いRFパワーGaNデバイスの需要が急速に高まるとみている。

RFパワーGaNデバイスなどを搭載したドハティボード

 ブースでは、RFパワーGaNデバイスを実装した3.5GHz帯で出力が200W/160WのDoherty Board(ドハティボード)や、2.3〜2.4GHz帯で45W出力のドハティボードなどを展示した。

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