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» 2017年12月20日 11時30分 公開

帯域幅の“無駄使い”をなくす:低周波数帯を使う5G、最後の砦は「波形をいじる」 (2/3)

[村尾麻悠子,EE Times Japan]

LTE基地局を使った実証実験も成功

 さらに、原田研究室は実際のLTE基地局を使ってUTW-OFDMの実証実験も行った。京都大学大学院 情報学研究科 通信情報システム専攻の教授である原田博司氏によれば、UTW-OFDMを開発したばかりのころは、シミュレーションと信号波形ジェネレーター、スペクトラムアナライザーを使って実験していたという。「だがこれだと単に実験のレベルにとどまってしまう。実際の基地局を使い、リアルタイムで処理できるかどうかを確かめる必要があった」(原田氏)

京都大学大学院 情報学研究科の原田博司教授

 実験では、日本ナショナルインスツルメンツ(日本NI)の計測/制御プラットフォームを使ってシステムを構築。原田氏は、日本NIが2017年10月に開催した「NI Days 2017」で、その事例を紹介している(関連記事:業界に強い影響を与える2018年の技術トレンド)。原田氏は日本NIのプラットフォームについて、「ちょうどよいメモリ量とインタフェースを備えていた」と述べる。

 構築したシステムでは、「LTE基地局から電波を飛ばす→サンプリング(デジタル変換)する→信号に「時間軸窓処理」をかけて信号波形を書き直す→アナログ変換する→LTE端末に向けて出力」という一連の処理が、わずか1マイクロ秒でできるという。原田氏は「1マイクロ秒でリアルタイムに処理できるというスピードには本当に驚いた」と述べる。「LTEでは1フレームが10マイクロ秒なので、処理時間が10マイクロ秒を超えてしまうと、LTE端末側が違うフレームだと認識してしまうからだ」(同氏)

実証実験を行った時のシステム構成図 出典:京都大学 原田研究室 (クリックで拡大)

 LTE基地局を使った、この実験によって、中心周波数2.5GHz、チャンネル帯域幅5MHzにおいて、CP-OFDMに比べて、UTW-OFDMは約20dB改善したという。

実証実験の結果 出典:京都大学 原田研究室

 なお、原田氏らが構築したこのシステムがあると、UWT-OFDMをはじめ、さまざまな種類の変調の波形を入力できるという。

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