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「つながるクルマ」が変えるモビリティの未来像
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» 2018年01月10日 11時30分 公開

CES 2018:トヨタは“モビリティサービスメーカー”を目指す

トヨタ自動車は「CES 2018」の基調講演で自動運転のコンセプトカー「e-Palette」を発表した。登壇した社長の豊田章男氏は、トヨタは自動車メーカーから“モビリティサービスを提供するメーカー”へと変わることを示唆した。

[David Benjamin,EE Times]

新しいコンセプトカー「e-Palette」

 トヨタ自動車(以下、トヨタ)の社長である豊田章男氏は2018年1月8日(米国時間)、米国ネバダ州ラスベガスで開催を目前に控えた「CES 2018」のキーノートにおいて、新たなコンセプトカー「e-Palette」を発表した。同氏は、自動車の近未来へのビジョンを見据え、自動運転車の最初の、そして最も普及するであろう活用法はモビリティサービスとシェアリングにあると強調した。豊田氏は「トヨタは、ソフトウェアを超越し、e-Paletteというモビリティプラットフォームを作り上げることに重点を置く」と語った。

「CES 2018」のキーノートでトヨタ自動車が発表したコンセプトカー「e-Palette」(クリックで拡大)

 メディア向けのカンファレンスが行われたラスベガスのホテル「Mandalay Bay(マンダレイ・ベイ)」で、大勢のメディアに向け、豊田氏は「e-Paletteで計画されているサービスは、食品の配送車から移動式の救急室にまで及ぶ」と語った。「現在は、皆さんが店舗まで足を運ぶ。e-Paletteでは、お店が皆さんの元に来る」(同氏)

 e-Paletteの外観や内装は映像で紹介された。シャトルバスのような外観で、小型のものから大型のものまである。

 内燃機関を搭載する自動車からの移行は、豊田氏が重点を置いたポイントの1つだった。

 豊田氏は、トヨタは現在、米国内を走っているクルマのわずか1%にも満たない電気自動車(EV)に対する抵抗感を解消すべく取り組んでいると語った。トヨタは2020年までに、異なるEVモデルを提供する。2025年までには、トヨタが製造する自動車は全てEVあるいは、EVの機能を搭載するものになることも付け加えた。

 豊田氏は、「トヨタは自動車メーカーから“モビリティサービスを提供するメーカー”へと変わる」という大胆なチャレンジを掲げ、「“不可能への挑戦”から始める」と語った。同氏は個人的な心情として、「これは、私の使命でもある。“それは無理だ。できない”と言われることが嫌いだからだ」と続けた。

 トヨタのアライアンスには既にマツダやAmazon、Uber Technologies、Pizza Hut(ピザハット)、中国の配車アプリ大手であるDidi Chuxing(滴滴出行)が初期メンバーとして名を連ねている。

トヨタのアライアンスの初期メンバー

 Vision Systems IntelligenceのCEOであるPhil Magney氏は、トヨタのビジョンを支持し、「全てがモビリティの枠を超えて拡大することになるだろう」とコメントした。

 トヨタが、“個人が所有する自動車”から“モビリティを共有する”と、自動車に対して考え方を変えた背景には、トヨタの子会社Toyota Research Institute(TRI)を率いるGill Pratt氏の影響が大きいというのは明らかだ。

 2016年のCESでPratt氏は、完全な自動運転車(レベル4とレベル5)について懐疑的な見解を述べた(関連記事:自動運転の実現はまだ遠く、トヨタがCESで語る)。今回のCESのキーノートが終わった後、Pratt氏は記者たちに対して、レベル4とレベル5の基準は広く、複雑にもかかわらず非常に厳しいと語った。同氏は「技術メーカーや自動車メーカーはもちろん、メディアも、緊急時に人がいなくても安全な走行をできるほどの完全な自動運転車の実現がいかに難しいかを、あなどってはならない」と強調した。

e-Paletteのデモ(クリックで拡大)

【翻訳、編集:EE Times Japan】

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