連載
» 2018年01月19日 11時30分 公開

製品分解で探るアジアの新トレンド(24):広がり続ける中国半導体の裾野 (1/3)

今回は、中国から続々と生まれている機能複合型のワイヤレススピーカーの内部を観察していく。搭載されているチップは、当然のように全て中国メーカー製だった――。

[清水洋治(テカナリエ),EE Times Japan]

中国からも続々と発売されている機能複合型スピーカー

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 2017年はBluetoothやWi-Fiといった無線通信技術を使った応用製品が数多く発売された。最も話題になったものはスマートスピーカーだろう。IoT(モノのインターネット)の端末側に位置する応用製品として数千万台という出荷数を記録した。日本でもさまざまなメディアに取り上げられ、今やスマートスピーカー関連の記事や宣伝を見ない日がないくらいだ。一部にはAI(人工知能)スピーカーと紹介される場合もあるが、多くは音声認識機能を持つプロセッサ処理をWi-FiやBluetoothを介してクラウドに接続し、回答を音声合成処理で出力するという構造になっている。スマートスピーカー自体にはAI向けに特化された演算器が搭載されているわけではない。筆者が代表を務めるテカナリエでは現在までに10機種ほどのスマートスピーカーを分解し、実装されているプロセッサを開封して分析も行ってきた。その結果、明確なAI機能がスピーカー内部には存在しないことを確認している。

 さらに言えば、ほとんどのスマートスピーカーには2016〜2017年に新規に発売になったプロセッサが活用されているわけではなく、ひと昔前の2014〜2015年発売のプロセッサを利用している場合がほとんどである。言い換えれば既存チップを使い、マイクロフォンとスピーカーを付加し、クラウドとつないだという「リニューアル商品」「リバイバル商品」なのである。

 ただし、スマートスピーカーを否定的に捉えているわけではない。音声認識、合成処理が日常の中に入り込み、かつ有効利用されることは利便性の向上という点で重要だ。

 今後のさらなる少子高齢化社会の前に少しでも利便性の高い商品が生まれ、普及し、さらなる進化を遂げていくことは望ましい。2017年は“スマートスピーカー元年”となったが、今後の進化発展を注視していきたい。

 各種スマートスピーカーの横並び比較は、いずれ本連載で紹介したいと思っている。

 今回はBluetoothを使った中国製機器の分解調査結果の一部を紹介する。BluetoothやWi-Fiで接続することは広義にはIoTといえる。スマートフォンやルータなどを介してインターネットとつながっているからだ。

 中国メーカーからも続々とスマートスピーカーやネットワークスピーカーなどが発売されている。あまりに種類が多いので全てを観察することは不可能だ。

 単なるスマートスピーカーやワイヤレススピーカーだけでなく、応用製品としてさまざまな組み合わせ商品が生まれている。これが中国製品の特長である。図1はスマートスピーカーではないが、中国製のワイヤレススピーカーである。

図1 図1:中国から続々と発売される他の機器の機能を融合したワイヤレススピーカー 出典:テカナリエ レポート

 見ての通り、外観は少し大きめの電球型だ。LED電球とスピーカーがついている。この手のLED電球型スピーカーは多くの中国メーカーが製品化していて、監視などに使うカメラ機能が付いた商品やレコーダー(音声録音機能)を備えた商品なども出回っている。LED電球の形状なので給電の問題はなく、常設利用もできるようになっている。LED電球はさまざまに光り方を演出できる。スマートフォンで光り方を操作できるので、LED電球だけでも楽しめる。余談だが、筆者は、オフィスにミラーボール機能の付いたLED電球を取り付けて、普通のLED電球では楽しめないユニークな使い方を楽しんでいる。

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