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» 2018年01月31日 10時30分 公開

迫るQualcommとの統合:車載半導体首位・NXPの製品/技術戦略を幹部に聞く (3/3)

[竹本達哉,EE Times Japan]
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稼ぎ頭「Act」領域でも競争力ある新製品を投入

EETJ 「Act」の部分に対する製品展開方針をお聞かせください。

Reger氏 自動車のアクチュエーター、手足に相当するActの部分は、あまり注目されないが、現在のNXPにとって稼ぎ頭であり非常に重要だと考えている。

 最先端の微細プロセス技術は用いられないものの、高耐圧、大電流への対応や高い信頼性を実現する技術などが求められる領域であり、それらの開発に取り組んでいる。

 この領域で、新たにニーズが高まっているのは、スマートライティングシステムやバッテリーマネジメントシステム(BMS)などが挙げられる。

 各自動車メーカーは、多くのエネルギーを蓄えられる電池に興味を抱いている。危険性のある化学物質を使用したエネルギー密度の高い電池は存在するが、万が一、過充電を起こした場合には、爆発を伴うため現状は自動車には不向きだ。そこで、エレクトロニクス技術でどんな状況でも過充電を防ぐことができれば、エネルギー密度の高い電池も自動車に搭載できるようになる。現在、われわれは危険なバッテリーを管理できるBMSデバイスの開発に取り組んでいる。コスト面でも優位性を発揮できるデバイスとして開発する予定で、このデバイスができれば、バッテリーカーの門戸を大きく開く存在になると考えている。

 繰り返しになるが、各ドメインで、Sense、Think、Actを担うあらゆる製品を提供する品ぞろえを持っているのは、われわれだけだ。われわれだけが、各ドメインを最適化し、アップデートし、統合することができる。

EETJ Actの部分で必要なIGBTなどの品ぞろえはありませんね。

Reger氏 IGBTについては、専用の製造設備が必要になるため、自社では製造していない。ただし、富士電機とパートナーシップを結び、協業している。こうした、パートナーシップで賄う部分もあるが、Qualcommとの統合で大半の製品はそろうことになる。

市場平均成長率の1.5倍を目指す

EETJ Qualcommによる買収が迫っています。

車載半導体製品のデモ/評価ボードなど。写真中央の基板が車載通信機能を集積したボード。こうしたボードでQualcommとのシナジーがより発揮される見込みだ (クリックで拡大)

Reger氏 Qualcommは、半導体業界では過去最大となる470億米ドルを投資し、NXPを買収する。その狙いは、自動車市場の攻略であるといえる。

 現在のQualcommが手掛ける自動車向け製品は携帯通信用の他、Wi-Fi/Bluetooth用、全地球測位システム(GNSS)用のチップと、Snapdragonだ。Snapdragonについては、NXPのプロセッサ「i.MX」と重複する部分もあるが、Snapdragonはハイエンド、i.MXはミドルエンドとローエンドのカーエンタテインメント向けプロセッサという位置付けになり、補完関係にあるだろう。

 車載コンピュータユニットのBlueBoxについても、Snapdragonにより強化される見込みであり、楽しみは多い。

EETJ 今後の事業見通し、目標をお聞かせください。

Reger氏 車載半導体市場の平均成長率の1.5倍のスピードでの事業成長を継続することが目標だ。

 今後3年間は、S32やスマートアンテナ、スマートキー向けデバイスなど数多くの新製品で成長が期待できる。その後については、車載コンピュータやレーダー、イメージングの部分で大きなチャンスがあるだろう。もちろん、コネクティビティの領域でもいろいろな技術革新が起こり、われわれにより大きなチャンスが到来すると革新している。

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