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» 2018年02月05日 09時30分 公開

小型、低消費電力FPGAを強みに:エッジコンピューティング、低電力でAI実現

AI(人工知能)技術をベースとしたエッジコンピューティングを次の成長ドライバーと位置付けるLattice Semiconductor。フォーカスする分野は消費電力が1W以下で、処理性能は1テラOPS(Operations Per Second)までのアプリケーションだ。

[馬本隆綱,EE Times Japan]

収集したデータの45%をエッジで処理

Lattice SemiconductorのCEOを務めるDarin Billerbeck氏

 Lattice Semiconductor(ラティス・セミコンダクター)は2018年2月2日、メディア向け事業説明会を東京都内で開催し、CEOを務めるDarin Billerbeck氏が今後の成長戦略について語った。

 小型で低消費電力のFPGA製品を手掛けるLattice Semiconductorは、エッジ領域にフォーカスして事業を展開する。特に、インテリジェントなエッジの実現に向けて、「コントロール」「コネクト」「コンピューティング」と3つの分野に注力する。

 同社の事業基盤は「コントロール」向けPLDである。極めて小さいパッケージと電力消費、そしてコストパフォーマンスに優れた製品を提供する。「コネクト」はここ数年、同社の事業拡大をけん引している分野だ。インタフェース交換やブリッジ機能や超高速のワイヤレスデータ接続機能を実現し、モバイル機器などに提供している。

 そして、これからの成長ドライバーと位置付けるのが、AI(人工知能)技術をベースとしたエッジコンピューティングの分野である。Billerbeck氏は、「Lattice Semiconductorが対象としている市場は、2017年に10億米ドル規模となった。この市場にエッジコンピューティングが新たに加わることで、2022年にはその規模が20億米ドル以上となる。その後も成長は続くだろう」という。調査会社のIDCは、2019年までにIoT(モノのインターネット)で生成されたデータのうち、45%はネットワークのエッジまたはその周辺で格納、処理、分析されると予測している。

左は「コントロール」「コネクト」「コンピューティング」の3分野におけるLattice Semiconductorの売上高推移、右は3分野が対象とする市場規模予測 (クリックで拡大) 出典:Lattice Semiconductor

 エッジコンピューティングにフォーカスする同社は、ターゲットとするアプリケーションも明確だ。同社が狙うのは消費電力が1W以下で、処理性能は1テラOPS(Operations Per Second)までの領域である。「車両の衝突回避システムは、より高性能で消費電力も大きいICが必要となるため、ビジネスの対象としない」(Billerbeck氏)考えである。

エッジコンピューティングにおいて同社が狙う領域 出典:Lattice Semiconductor

 例えば、「iCE40 UltraPlus」を用いたバイナリーニューラルネットワーク(BNN)による顔認証は、0.7mWの消費電力で実現している。「ECP5」を用いたコンボリューショナルニューラルネットワーク(CNN)による顔追跡は、0.85Wの消費電力で済む。自律ロボット向け衝突回避システムには、消費電力が1W以下の「ECP5」を採用している。

左は顔認証、中央は顔追跡、右は衝突回避の事例 (クリックで拡大) 出典:Lattice Semiconductor

 半導体の技術戦略も競合他社とは異なる。クラウドやデータセンター市場にフォーカスした他のFPGAベンダーは、FinFET技術を採用して高い性能を追求している。これに対してLattice Semiconductorは、次世代製品にFD-SOI(完全空乏型シリコン・オン・インシュレーター)技術を採用することにした。ダイサイズが小さく消費電力を抑えることができるからだ。現在、28nmのFD-SOI技術を用いて次世代製品を開発中だという。

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