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» 2018年02月14日 15時30分 公開

ISSCC 2018が開幕:ムーアの法則から離れることで、より自由に

半導体集積回路技術の国際会議「ISSCC 2018」が米国で始まった。初日の基調講演でAnalog Devices(ADI)のCEOは、「ムーアの法則から離れ、周りを見回すことで、本当に面白いことに向かって進んでいける」と語った。

[Rick Merritt,EE Times]

「ISSCC 2018」が開幕

 米国カリフォルニア州サンフランシスコで、半導体集積回路技術の国際会議「ISSCC 2018」(2018年2月11〜15日)が開催中だ。オープニングの講演では、業界のエグゼクティブや技術者らが、半導体の微細化に伴う設計の複雑さやコストの増加について、決して否定的な見方をしているわけではないことが明らかになった。

David A. Patterson教授

 米国カリフォルニア大学バークレー校のDavid A. Paterson教授は、「ムーアの法則とデナード・スケーリングの終息は、命令セットアーキテクチャにイノベーションが必要だということを示唆している。われわれは、コンピュータアーキテクチャの“ルネサンス期”に入っているのではないか。ベンチャーキャピタルは2017年の1年間で、チップのスタートアップに計15億米ドルを投資している」と語った。

 Paterson氏は、「学生はハードウェアを設計することに再び興奮し始めている」と述べる。そのハードウェアとは、多くの場合がGoogleの「TPU(Tensorflow Processor Unit)」のようなニューラルネットワーク向けだ。

 Analog Devices(ADI)のCEOであるVince Roche氏は基調講演で、「ムーアの法則はある意味、何百万米ドルものマスクの開発や数十億ドルの工場の建設などにつながる“足かせ”のようなものになっていた。ムーアの法則の時代では多少なりとも制約があったことも事実だ。だが今後は違う。われわれは今、ムーアの法則に沿って進んできた道を離れ、本当に興味深いことを、ともに成し遂げようとしている」と語った。

 Roche氏は、材料、パッケージングおよびソフトウェアなど、複数の分野にわたるアプリケーション指向のイノベーションを呼び掛けた。同氏は、ADIの製品を例として挙げる。

 ADIのチップスケールのpHセンサーは、電気めっき、ウエハーボンディング、マイクロ流体チャネルなどの半導体プロセスを組み合わせているという。さらにADIは、スマート電力メーターで、分析とシグナルプロセッシングを組み合わせ、電力会社が直面している電力盗難などの課題に応えているとする。

 Roche氏は、「われわれは、アプリケーションや市場をより深く理解するために、化学、暗号技術、医療にも投資をしている」と述べた。

 Patterson氏は、RISC-V Foundationは現在、オープンな命令セットをサポートする100以上のメンバー企業および団体を集めたという。同氏は「RISCはまだプロセッサアーキテクチャの中でも最高のアイデアだとはいえないが、われわれの目標としては、業界をリードし、毎日どこかしらで動作している命令セットアーキテクチャにすることだ」と語った。

【翻訳、編集:EE Times Japan】

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