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第1回 次世代モバイル通信展 特集
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» 2018年04月10日 12時30分 公開

SIGFOXやLoRaの好敵手?:LPWAの新たな選択肢 地下に強いメッシュ型「ZETA」

テクサーは「第1回 次世代モバイル通信展」で、LPWAN(Low Power Wide Area Network)の1つとして、メッシュネットワークを構築する「ZETA」を紹介。ZETAの評価キットを展示した。

[村尾麻悠子,EE Times Japan]

 LPWAN(Low Power Wide Area Network)応用システムの開発や販売などを手掛けるテクサーは、「第1回 次世代モバイル通信展」(2018年4月4〜6日、東京ビッグサイト)で、LPWAの1つである「ZETA(ゼタ)」向けのセンサーやAP(アクセスポイント)を展示した。

 ZETAは、英国ZiFiSenseが提唱しているLPWANである。「Mote(モト)」と呼ばれる中継器を介し、メッシュネットワークを構築して広いエリアをカバーできる。屋外での通信距離は2〜10km。Moteを設置することで、地下やトンネルの中など、他のLPWANでは通信しにくいといわれる箇所でも、途切れることなく通信できる点が最大の特長だ。使用する帯域は920MHzまたは429MHzで、チャネル帯域幅は0.6k〜2.0kHzと、かなり狭い。

ZETAのネットワーク構成(クリックで拡大)

 テクサーは、モバイル通信展において、「ZETA 評価キット」(920MHz版)を展示した。AP、Mote、ベースプレート付きモジュール、アンテナ、電池など、ZETAをすぐに使い始めることができる機器が全てそろった評価キットだ。ベースプレート付きモジュールとは、ZETA対応モジュール、電池ホルダー、アンテナ端子、入出力端子を搭載した開発基板である。さらに、同評価キットでは、ZETA対応サーバを、6カ月間無償で使用できるアカウントも付属していて、ZETAサーバに接続するためのSIMカードも実装済みだ。

 ZETA 評価キットは既に入手可能で、本体価格は26万円。テクサーの説明員は「他のLPWANに比べて、初期費用は約5分の1〜20分の1くらいと、非常に低コストでシステムを構築できる」と強調する。

「ZETA 評価キット」の中身。写真左がAPで、右奥の丸い物が「Mote」と呼ばれる中継器。中央にある緑の基板が、ベースプレート付きモジュール(クリックで拡大)

 ZETAは、中国・上海の東海大橋で既に導入されている。全長約32kmにわたる東海大橋の両端にAPを設置し、間にMoteを複数機置いてZETAネットワークを構築している。振動センサーなどを設置して、看板の落下や、居眠り運転が疑われるドライバーの検知といった用途に活用している。テクサーによれば、東海大橋で使用しているZETAの場合、データ通信速度は300ビット/秒(bps)〜600bpsだという。

 現在、ZETAをサポートするセンサーは、超音波センサー、角度センサー、土壌中の水分を測定するセンサーなど、約20種類がある。

 日本では、テクサーの本社がある京都市で、ZETAを活用したスマートシティー化に向けた取り組みが始まろうとしている。京都府の産業開発やベンチャー企業の支援などを行う施設である「京都リサーチパーク」内に、ZETAのAPを1台設置し、ZETAのネットワークを使ったスマートオフィス実証などを行う予定だという。

ZETAを活用したスマートシティー化の構想(クリックで拡大)

 テクサーの説明員は、「ZETAは、地下など屋内の環境に強く、他のLPWANよりも低コストでシステムを構築できる点が魅力。実際、トンネル内に構築したいとの要望が、かなり寄せられている」と語った。

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