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» 2018年04月16日 10時10分 公開

9万人が訪れる:香港の見本市、エレ系中小企業が知るべき利点とは (3/4)

[村尾麻悠子,EE Times Japan]

スタートアップ企業がひしめく

 香港エレクトロニクス・フェアにおける、最大の見どころの1つが、「Startup Zone」だろう。その名の通り、スタートアップ企業が多数集まっているエリアで、110社に上る企業が小さなブースを構えている。

常に多くの来場者でいっぱいだった「Startup Zone」(クリックで拡大)

 インクジェット印刷技術でFPC(フレキシブル基板)を製造する日本のエレファンテックも、Starrup Zoneに出展している企業の1つだ。同社は東京大学発のベンチャー企業で、2017年9月に社名を「AgIC」から「エレファンテック」に変更している(関連記事:「市販プリンタで回路を印刷! 銀ナノ粒子を使った導電性インク」。同社社長の清水信哉氏は、Startup Zoneに出展した理由について、「当社の今後のロードマップとして、日本よりも格段に規模が大きい中国市場の参入は絶対だ。そのためにも、様子を見てみたかった」と述べる。

 清水氏は、AgIC時代に比べて最も大きく変わった点として、同社のFPCを量産向け製品でも使えるようになったことを挙げる。「当時は、試作品には使用できたが、技術の品質などの点から、量産品で使うのが難しかった。現在は、抵抗値を大幅に削減し、耐久性も10年間に伸びるなど、一般的なFPCの置き換えを図れるほどの性能を確保できるようになった」(清水氏)

 さらに、2018年1月には東京中央区八丁堀に自社工場を構え、めっきなどの化学処理を含む全てのプロセスを自社で行えるようになった。工場の生産能力は、1カ月当たり1000m2である。AgIC時代、同社の技術で最も特長的だったのは、家庭用のプリンタで回路配線パターンを印刷できるという点だった。ただ、これだと量産市場で使うことは難しい。エレファンテックの最終的な目的は、あくまでも「量産品で採用されること」だった。

 清水氏は、エレファンテックのFPCは一切、型を作る必要がないため、特に多品種少量の製品開発がやりやすくなると述べる。ロット数としては年間5万以下程度の規模のマーケットを狙う。例えば複合機や製造装置、IoT(モノのインターネット)機器といった市場を想定している。

エレファンテックのPFC「P-Flex」(左)。「P-Flex」を採用した場合のコスト削減例。従来の基板+ケーブルを、P-Flexに置き換えた場合、部品数、設計図面数、重さを削減できる(クリックで拡大)

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