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» 2018年04月27日 14時30分 公開

Over the AI ―― AIの向こう側に(21):不幸な人工知能 〜尊敬と軽蔑の狭間で揺れるニューラルネットワーク (4/9)

[江端智一,EE Times Japan]

「バックプロパゲーション」を数式抜きで解説する

 さて、ここからは、ニューラルネットワークの概要と、第2次AIブームの端緒を開いた、「逆伝搬学習 ―― バックプロパゲーション」について、数式抜きの解説を行いたいと思います。

 ニューラルネットワークとは、

―― ごたくはどうでもいいから、とっとと丸暗記しやがれ

を可能とするAI技術、と理解していただいて問題ありません。

 これをエンジニアの視点から見れば、「その原因と結果を導く、『何か』を、論理化したり、数値化したり、コーディングしたりするのが面倒な訳よ。そういうものから、手を抜きたい訳よ。ドゥー・ユー・アンダスタンド?」です。

 で、これを、もう少しだけ、穏当な用語に置き換えて、図式化したものが以下になります。

 上の図は、脳細胞のメカニズムに良く似ています。生物の脳も、ニューロンという脳細胞が、シナプスという電気信号線で接続したもので構成されています。

 ニューラルネットワークの研究は、

(Step.1)脳の構造に似ているからマネしてみた(ニューロン発火とか、シナプス強化)
(Step.2)マネしてみたら、入力と出力のパターンを覚えさせることができることが分かった
(Step.3)(特に)ショボい数のニューロンでも、非線形分離を取り扱えることや、追加して学習データを覚えさせられることが分かった

―― という経緯を経て、今に至っています。

 私が、30年前に、ニューラルネットワークこそが、「強いAIのベースとなる*)」と確信してしまったのは、仕方がないと言えるでしょう(と、言い訳をする)。

関連記事:「弱いままの人工知能 〜 “強いAI”を生み出すには「死の恐怖」が必要だ

 ちなみに、私は、ニューラルネットワークを電気回路のパラダイムで理解しています。

 ある一定の電流量を超えたら、電気信号を出力する非線形素子(ダイオード、トランジスタ、オペアンプ)と、学習に応じて値を変動させ続ける線形素子(可変抵抗)からなる電気回路です。

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