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» 2018年05月15日 11時30分 公開

製品分解で探るアジアの新トレンド(28):もはや一国でモノづくりは不可能、ZTE措置が突きつける現実 (3/4)

[清水洋治(テカナリエ),EE Times Japan]

米国半導体で構成されるZTE端末

 図3は、基板の表裏と、代表的なチップの様子である。左側のプロセッサ面には、米Qualcommの「Snapdragon」チップセット(プロセッサ、トランシーバー、電源制御IC、オーディオIC)、ストレージメモリ、DRAMが搭載されている。右側には上記以外のセンサーやNFC通信チップが搭載されている。NFC通信チップは、Broadcom製である。

図3:基板(写真左はプロセッサ側)と、搭載されている主要チップ 出典:テカナリエレポート(クリックで拡大)

 ZTEは中国メーカーだが、同社のスマートフォンの内部は、多くが米国製半導体で構成されていることがよく分かる。しかも、Qualcomm、Broadcom、Skyworksなど米国を代表する大手メーカーのオンパレードだ。

 日本メーカーチップも比率こそ小さいが、多々使われている(ここでは詳細は割愛する)ので、少なからず日本メーカーにもZTEの制裁の直接的な影響はあるだろう。しかし、それ以上に大きいのが間接的影響なのである。

Nubia Z17miniもBlade V8もまったく製造できない!?

 図4は、Nubia Z17 miniと、同じく同社の代表的なスマートフォン「Blade V8」に採用されているチップの国籍だ。

図4:ZTEが現在発売中の2機種のチップ国籍 出典:テカナリエレポート(クリックで拡大)

 Nubia Z17 miniもBlade V8も、50%強が米国製半導体なのだ……! ZTEが、米商務省の決定通り米国の部品を使えないとすれば、Nubia Z17miniもBlade V8も、まったく製造できないことになってしまう。

 現在のスマートフォンは、米国製半導体抜きで製造することは、ほぼできない。MediaTekのスマートフォンプラットフォームを使えば確かに、プロセッサなどチップセットは置き換えができる。しかし、パワーアンプは、MediaTekすら米国製と組み合わせている。Samsung Electronicsや中国HiSiliconも同様だ。

 多くのメディアが、2018年5月にQualcommが人員削減に着手したと報じた(関連記事:「Qualcommが人員削減を開始」)。ZTEの件の早々たる影響だという。QualcommがZTEを失った場合の影響は大きい。しかし、パワーアンプメーカーも深刻な影響を受けることになるのだ。

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