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» 2018年05月22日 09時30分 公開

ローム、車載用電源ICに展開へ:降圧にIC1つ追加するだけの高速応答昇降圧技術 (1/2)

ロームは2018年5月22日、「世界最高クラスの高速応答性」(ローム)を実現するという昇降圧コンバーター技術「Quick Buck Booster」を発表した。2018年夏には、本技術を用いて、自動車向け電源ICのサンプル出荷を開始する予定だ。

[竹本達哉,EE Times Japan]

 ロームは2018年5月22日、「世界最高クラスの高速応答性」(ローム)を実現するという昇降圧コンバーター技術「Quick Buck Booster」を発表した。2018年夏には、本技術を用いて、自動車向け電源ICのサンプル出荷を開始する予定だ。

 開発したQuick Buck Boosterは、一般に降圧コンバーターよりも遅いとされる昇降圧コンバーターの応答性を高速化させる技術であり、「現状では、世界最高の高速応答性を持つ昇降圧コンバーターを実現できる技術」とする。

「Quick Buck Booster」の特長 ロームの昇降圧コンバーター技術「Quick Buck Booster」の特長 (クリックで拡大) 出典:ローム

クランキング時のバッテリー電圧低下に対応する昇降圧コンバーター

 高速応答の昇降圧コンバーターが求められる用途の1つに、カーナビゲーションシステムやECU(電子制御ユニット)などに向けた車載電源用途がある。

 自動車では、エンジン始動(クランキング)時に負荷が急速に増大することなどにより、バッテリー電圧が一時的に大きく低下する現象が起こる。この時、バッテリー電圧が、カーナビやECUの動作電圧を下回った場合に、カーナビやECUの動作が停止する。アイドリングストップ/スタート機能の普及で、エンジンの再始動が頻繁に行われる昨今は、クランキング時のバッテリー電圧低下対策は不可欠になっている。対策として、低下したバッテリー電圧をECUが動作可能な電圧にまで昇圧できる昇降圧コンバーターが用いられる。

昇降圧コンバーターの必要性と欠点 車載用途における昇降圧コンバーターの必要性と欠点 (クリックで拡大) 出典:ローム

 こうしたクランキング対策用昇降圧コンバーターは、急峻(きゅうしゅん)な電圧変化でも、電圧を変換し、一定の電圧を出力し続ける高速応答性が要求される。ただ、昇降圧コンバーターは一般に降圧コンバーターよりも応答が遅いため、出力電圧を安定化させるために出力コンデンサーを大容量化させなければならないという欠点を抱える。また、昇降圧コンバーターの使用は、降圧コンバーターに比べ、電源回路設計が複雑になるという課題も存在する。

 そうした中で、ロームは、昇降圧コンバーターが抱える、応答の遅さ、設計の難しさという2つの課題を克服する昇降圧コンバーター技術として、Quick Buck Boosterを開発した。

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