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» 2018年05月25日 13時30分 公開

普及加速の原動力になるか:CrossbarがMicrosemiにReRAMライセンスを供与

Microsemiが、ReRAM(抵抗変化メモリ)を手掛けるCrossbarから、ReRAMのライセンス供与を受ける契約を締結した。メモリ業界のアナリストたちは、この契約が、ReRAMの幅広い普及に向けた道を切り開く、重要な触媒として機能するとみているようだ。

[Dylan McGrath,EE Times]

 2018年5月、Microsemiが、抵抗変化メモリ(ReRAM)を手掛けるCrossbarから、ReRAMのライセンス供与を受ける契約を締結した。メモリ業界のアナリストたちは、この契約が、ReRAMの幅広い普及に向けた道を切り開く、重要な触媒として機能するとみているようだ。

 米国の半導体調査会社Objective Analysisで主席アナリストを務めるJim Handy氏は、「今回の契約によって、Crossbarに雪玉効果をもたらすことになるだろう」と述べている。

 Microsemiは現在、Microchip Technologyによって買収の手続きが進められている(関連記事:Microchip、Microsemiを83億ドルで買収へ)が、2018年5月14日の週に、「CrossbarのReRAMのIP(Intellectual Property)のライセンス供与を受ける契約を締結し、1X nm世代のプロセス技術で製造する次世代製品に集積することで合意した」と発表した。

 Microsemiは、CrossbarのReRAMのライセンス供与を受けるチップメーカーとしては、2016年に契約を締結した中国ファウンドリーSMIC(Semiconductor Manufacturing International Corporation)に続き、2社目となる。SMICは2016年後半に、ReRAMの製造に同社の40nmプロセスを適用している。

 現在も開発が進んでいるReRAMは、特にエッジコンピューティングや通信インフラ、人工知能(AI)、工業、自動車などの分野において、多様な組み込みメモリアプリケーションの強力な候補になると考えられている。性能に悪影響を及ぼすことなく、10nmプロセス未満の微細化が可能だとされる。

 Crossbarの他にも、ReRAMの市場投入を手掛けている企業としては、パナソニックや富士通、Adesto Technologiesなどが挙げられる。

Objective AnalysisのJim Handy氏

 Handy氏は、「Microsemiのライセンス契約によって、ReRAMが、うたい文句通りの性能を実現していることが明確に実証されることになるだろう。顧客企業は通常、新しくライセンス供与される技術を自社製品のロードマップに取り入れることに対して、消極的になる傾向がある。技術と、その技術をライセンス供与する企業の両方について、“本当にこの技術は使えるものなのか?”と懸念するからだ」と述べる。「一番乗りで新しい技術のライセンス供与を受けたいと思う企業は少ないだろう」(同氏)

 市場調査会社であるIDCの実現技術チームでリサーチディレクターを務めるMichael Palma氏は、「実証可能な重要なケースだといえる。どれくらい普及が進むかは分からないが、ベンダーが1社でも実際にライセンス契約を結んだことで、普及の壁は確実に下がっていくとみられる」と分析する。

 Handy氏は、「Crossbarは、2017年夏に米国シリコンバレーで開催された『Flash Memory Summit 2017』において、組み込みおよびスタンドアロンのメモリアプリケーションの両方に向けたReRAMのデモを成功させている。今回のMicrosemiとのライセンス契約は、そのデモに続く実績といえるだろう」と述べた。

 さらに、Handy氏は、「Crossbarのロードマップは、妥当なスケジュールで順調に進んでいるようだ」と述べる。

 Palma氏は、「ReRAMは、AIを使う分野で、メモリの電力や性能のボトルネックを軽減していく上で、重要な役割を担うことができるだろう。多くの人々がさまざまなソリューションに目を向けているAI分野は、非常に重要だ」と述べている。Crossbarは、米国カリフォルニア州サンタクララで2018年5月21日(現地時間)から開催されている「Embedded Vision Summit」において、ReRAM技術を前面に打ち出した、AI向けテストチップを披露する予定だ。

【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】

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