802.11axグループのメンバーらは、「ワーキンググループが策定する標準規格の最新ドラフトは、75%の承認を得られる見通しだ」と自信を見せている。チップ製造の鍵となる物理層の仕様は、かなりの期間変更されていない。変更の大部分はMAC(Media Access Controller)に関連した部分であるため、ソフトウェアで対応できる見通しだという。
802.11axの主査を務めるRobert Stacey氏は、「2016年と2017年のドラフトで同意を得られなかったことは、同標準規格の複雑さを反映している」と述べる。
Intelの主席エンジニアで802.11acの主査も務めるStacey氏は、「ドラフトが不完全だと感じられれば、承認しない人もいる。802.11axは多くの機能を追加したため、問題が発生する可能性が非常に高かった。1つでも問題があれば、なかなか承認は得られない」と述べている。
だが、Stacey氏は、「今回は75%の票を得られると確信している」という。同氏は、「全ての問題を修正するのにかなりの時間がかかったが、ドラフト3.0では同2.0からの技術的な変更は多くない。今回のバージョンアップでは、機能の追加を中止して、バグ修正に専念した」と説明している。
Wi-Fi Alliance(WFA)は、2019年秋までに802.11axの認証プログラムを完了する予定だ。WFAは、先行版の標準規格に対応したチップを使用して相互運用性テストを開始しているという。
【翻訳:青山麻由子、滝本麻貴、編集:EE Times Japan】
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